変な夢を見た。
あいつが他の男と歩いていて、オレのことなんか忘れてく夢だった。
目覚めた時当たり前だが隣に誰もいなくて、恐怖を感じた。
オレはあいつを、信じすぎてる。
「信じててよ」
「・・・・・・」
珍しく怒った顔で、久遠は言った。
「サソリが待たせるのが嫌いでも、わたしは待つもん」
「・・・久遠、」
それでもだって、オレは戻らないかもしれない。
待たせるのは嫌いだ。
それは、待つのが嫌いだから。
待たせるのが、こいつだから。
「待ってなくていい」
今、こうやって手を握っていてくれたら。
女々しい自分に嫌気がさした。
不安を消したい
(それで消せるの?)