子どもにとって、五キロという道のりはとても辛いものだと今初めて実感した。
だって普段は施設の中でしか行動できないもん。
きっとあたしに体力がないからとか、そんなんじゃない、・・・はずだもん!


「おまえ体力ねぇのな。だからテンション上げすぎだって言ったんだよ、うん」


バカにしたように笑うデイダラいやん可愛い。もっと罵って。
心の声が聞こえたのか、一気にあたしと距離をとるデイダラ。酷い。
とぼとぼと四人組の最後尾を歩くあたしは、きっと体力がない。認める。
だから誰かおんぶしてください。

倒れる勢いでイタチに抱きつけば、イタチじゃなくて長門が心配そうに声を掛けてくれた。もう長門らぶ。優しすぎてイキツラ。


「みんなあたしがへばってるっていうのに、ひどい!やさしいのは長門だけなんだぁ!うわーん長門ぉ!」
「あ、こら、だからみちばたであばれるなって言ってるだろ」
「いひゃいっ」
「あ ば れ る な。わかったか?」


頬をつねってくる長門に何回も頷けば、やっと解放してくれた。
長門は優しいけど、厳しい。
お母さんポジションですね、萌えます。


「おまえはそいつの母親かなにかかよ」


サソリさんが呆れたように顔で水筒の水をあおった。
首筋に流れる汗を舐めたい。よだれが出そうである。睨まれたから一応行動は抑えておこう怖い。
あたしってそんなに顔に出てるのかな・・・


「オレは母親ではないぞ?なにを言っているんだ?」
「たとえだよたとえ!!」
「かわっ・・・!長門かわいい!!」


本気で首をかしげる長門が激かわすぎてイキツラ(二回目)。
それにしても、暑いなあ。
肩で切りそろえられた髪の毛を後ろで束ねる。

あ、前世のイタチと同じ髪型だよ!ね!


「うるさい」


イタチは暑さでイラついているのか、一刀両断されてしまった。
久遠ちゃん悲しくて泣いちゃう!


「オレはもっと横髪を出していた」
「そこかよ」


今日の突っ込みMVPはきっとサソリさんだ。

まだまだ遠足は続く。

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