「あっるっこ〜!あっるっこ〜!あたっしわげんきぃぃぃぃぃぃ!!」
「元気すぎだアホ」


スキップしながら歌っていると、後ろからサソリさんの愛あるチョップが飛んできた。
リュックの中の弁当がぐちゃぐちゃになんぞ、と、デイダラが呆れたように言った。
チョップされたあたしより、デイダラちゃんは弁当が心配なのねと拗ねて見せれば、華麗にスルー。
スルーっていうかシカト。いいもん慣れてるもん。
グズグズとイタチに泣きつけば、無言で頭を撫でられた。


「今からそんなハイだと、あとあと持たねぇぞ」
「だってサソリさん!えんそくですよ!?いやでもテンション上がるでしょう!」
「だからお前はのっけから上げすぎなんだよ、うん」


つ、と流れた汗をタオルで拭いてくれる長門。
ありがとうと上がったテンションのまま抱きつけば、長門は笑ってあまりはしゃぐなよ危ないから見ててこわいから、と有無を言わさない口調で言ってきた。
怖かったから言うとおりにすることにする。

今日は遠足。
数キロ先にある海まで。

昨日は今日が楽しみすぎて眠れなかった。
ガキだなと罵ってきたオビトだけど、彼も眠れてなかったはずだ。
だって今日は心なしか目が赤かったもん。一瞬写輪眼かと思ってビビったもん。


「海行ったらなにする?ねぇなにする?」
「暑いくっつくな!うん!」
「ん、くんくんデイダラちゃん汗がまじった色っぽくていい匂いがすぶへらっ」
「かぐな来るなさわんな変態!!!」


歩きながら、傍でイタチがため息をついたのが分かった。
くく、と声を押し殺して笑うサソリさん妖艶。らぶ。
だから危ないと言ってるだろう?オレの言う事が聞けないのか?と笑う長門が怖かったからこれ以上変態行動を起こすのはやめようと思った。

あたしを含めたこの四人が、遠足のメンバーだ。
少し後ろを歩いているのがオビト・飛段・角都・小南。
鬼鮫は他の子と一緒に歩いている。子どもの中でも背が高いほうの鬼鮫は、小さい子どもたちのお守りを頼まれていた。母性本能が働いてるのか、とてもいい働きっぷりだ。
子どもたちに振り回される鬼鮫の図。実に面白い。いいぞもっとやれ。


「お前って鬼鮫にだけあたりきついよな・・・」
「まさか気のせいじゃないですよ!」
「文脈おかしいぞ・・・うん」
「まぁあいつも満更でもなさそうだからいいんじゃないのか」
「イタチ・・・それは鬼鮫がマゾだということか?」


長門が真剣な顔で冷や汗を流しながらそう問うもんだから、思わず笑ってしまった。
鬼鮫がマゾ。うんキモい。


そうこうして、あたし達の遠足は始まった。

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