最近思うことがある。


「久遠、歯みがきはしましたか?」
「・・・まだ」
「もう九時ですよ。いいかげんに歯をみがきなさい」


鬼鮫が母親ポジションになりつつあるような(ていうかなってるような)気がする。
無反応だと後々うるさいからとりあえず返事をして去っていく鬼鮫をみる。鬼鮫は今度は飛段に声をかけていた。顔をしかめる飛段。
あたしと同じこと言われたんだな。

あたしは飛段に走り寄る。


「飛段」
「お?久遠、どーしたぁ?」
「鬼鮫になんか言われた?」


あー・・・、と飛段は頭を掻いた。
歯みがきという単語が口から漏れる。やっぱりだ。

二人して手洗い場に足を運びながら、会話は必然的に鬼鮫の愚痴になった。


「めっちゃ口うるさくなったよね鬼鮫ママ。軽くうざいんだけど」
「あーわかる。つーかママって!ゲハハハハッ」


歯ブラシを持ってイチゴ味の歯みがき粉を少量つける。飛段は歯みがき粉を口に入れてから歯ブラシを濡らして乱暴に磨いていた。
いっつも思うけど、その磨き方どうにかなんないのかな。


「ほはいはなんははへぼぼほほひはらひへはへんっへひわへは」
「はひ?はーやはいはひはめひほいはー」
『・・・なに言ってるかさっぱりなんだけど、お互いわかってるの?』『オ互イ馬鹿ダカラワカルンジャナイカ』


いつの間にかいたゼツのしっぽを踏んづける。
可憐に避けた黒ゼツと違い、白ゼツはにゃあと悲鳴を上げた。ざまぁ。
でも失礼なことを言ったのは黒ゼツだったよねごめん白ゼツ。


『痛いなぁもう、・・・ちなみにさっきはなんて言ってたの?』
「こないだなんか食べ物をのこしたらいけませんって言われた」
「まじ?はーやばいわ鬼鮫キモいわ。・・・ゲハッ」
『・・・通ジテイル・・・』


ヤハリ馬鹿同士何カ通ジルモノガアルノカと呟く黒ゼツのしっぽを今度こそ踏み潰した。

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