「んーあー」


お昼寝タイムは、いまだ慣れねぇな。
ため息をつきながら、オレは隣で伸びをしながら目をこする久遠を見た。

寝癖が酷ぇ。


「サソリさん・・・はよーございま・・・」
「言いながらねてんじゃねーよふとんたため」
「んー・・・」


久遠は起きるのが苦手だ。
それは、最近になってわかったこと。
向こうではあまり見えなかったことが、今では嫌でも見えてくる。
それはこいつに限らず、他の奴らも同じことで。


「おいクソダラ!」
「オイラはデイダラだ!うん!」


寝ていようがなにをしていようが、デイダラはおちょくればすぐに反応する。

また船を漕ぎ始めた久遠がデイダラの腹に倒れた。
カエルの潰れたような声を出して、若干頬を染めながら久遠を叩くデイダラ。ツンデレ死ね。


「久遠からはなれろデイダラ」
「オイラかよ!?」


イタチが無理矢理デイダラから久遠をひっぺがした。
不満そうに眉を寄せる。
つーか顔に出すぎなんだよ仮にも忍だった奴が妬いてんのを全面に出すなんて、情けねぇ。


「つーかイタチいつまでそいつだきしめてんだ」


再び夢の世界に旅だった久遠の背中に手を回して、優しく撫でるイタチ。
イタチは表情を崩さずに、だきしめてなにがわるいとオレを見た。
あ、こいつウゼェ。


「っ久遠おきろよ!いつまでもだきしめられてんな、うん!」
「んー・・・イタチいーにおいだもん・・・」


寝ぼけ眼に言いながら、久遠はイタチにすりよった。
イタチもイタチで、嬉しげに目を細めている。

つーか、待て。


「イタチ?」
「・・・なんだ」
「こいつ今おまえのこと、イタチって言ったか?」
「・・・ホントだ、うん。イタチって言った!」


なにがあったとデイダラと詰め寄る。
イタチはまたも表情を変えずに、


「きょりをちぢめようと思っただけだ」


と言った。

あークソ、イライラする・・・!
このイライラの正体がどうとか、この感情をなんて呼ぶかとか、わかってる。


「・・・てめーもかイタチ」
「・・・さぁな」


ようは、愛か恋か。

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