きっとこれがほんとうのおわり
「久遠」
やさしいこえで、あたしをよぶオビトは、やさしいてつきであたしをだきしめた。
すこし、ちからがつよい。
いたいけど、いたくない。
あたしは、オビトもだいすきだよ。
どんなにけがれてても、きらいになれないんだ。
どうしてだろうね?
きっとこたえはかえってこない、けど。
「久遠」
なに?
なんでそんなに、かなしそうなかおをしてるの?
いまになってかめんはずすなんてさ、ずるいよ。ばかだなあ、
ねえ、ちかい、よ。
「久遠」
「・・・、」
いっしゅん、くちびるがふれた。
わるものなんておもえない、やさしいくちづけ。
あたしは、いま、わらえてるのかなぁ?
ちの、あじが、するよ。
「久遠」
ああ、なかないで。
あなたのわらったかおはみたことないけど、ないてほしくないの。
・・・ああ、サソリさんたちも、こんなきもちだったのかな。
わらっててほしかったんだね。
いまなら、わかるよ。
「久遠。・・・また会おう」
オビトはそういって、あたしのまぶたをやさしくなでた。
なんだか、ねむい。