「久遠」


やさしいこえで、あたしをよぶオビトは、やさしいてつきであたしをだきしめた。

すこし、ちからがつよい。
いたいけど、いたくない。

あたしは、オビトもだいすきだよ。
どんなにけがれてても、きらいになれないんだ。
どうしてだろうね?

きっとこたえはかえってこない、けど。


「久遠」


なに?

なんでそんなに、かなしそうなかおをしてるの?
いまになってかめんはずすなんてさ、ずるいよ。ばかだなあ、

ねえ、ちかい、よ。


「久遠」
「・・・、」


いっしゅん、くちびるがふれた。
わるものなんておもえない、やさしいくちづけ。

あたしは、いま、わらえてるのかなぁ?

ちの、あじが、するよ。


「久遠」


ああ、なかないで。
あなたのわらったかおはみたことないけど、ないてほしくないの。

・・・ああ、サソリさんたちも、こんなきもちだったのかな。
わらっててほしかったんだね。

いまなら、わかるよ。


「久遠。・・・また会おう」


オビトはそういって、あたしのまぶたをやさしくなでた。

なんだか、ねむい。

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -