間に合わなかった、ごめんなさい、あたしはいつも笑ってばっかで、変えるどうこう言っても、サソリさんも飛段も助けられなかった、っ、角都がこうなるって、わかって、たのにっ・・・!

・・・ふん。
殺せるもんなら殺してほしいとほざいたあいつも、やはり終わりはくるものなのか。

泣く久遠を見上げながら、オレは動かない腕を叱咤して目尻の涙を拭う。
久遠は小さく目を見開いて、笑いながらオレの手を取った。
傍でコピー忍者のカカシが千鳥を構えている。
敵に情けはかけない、いい心構えだ。

オレは正直、自分に死があることに安心した。


「どっ・・・せ、角都、も・・・笑えって、言うんでしょ、」
「・・・バカのくせによく、わかったな」
「ば、かじゃないっ、もっ・・・!」


ふ、そうさ。
バカはオレ達だ。
こんな、どこの馬の骨かわからないちんちくりんに居場所を提供し、傍に居ることを許した。
心を許した。忍に甘さは必要ないのに、いつのまにかつまむように糖分を摂取した。病み付きになった。始末が悪い、オレ達のせい。


「・・・暁の・・・貯金通帳に・・・余分に金を・・・入れている」
「、角都は、不器用」
「バカより・・・マシだ、」
「でも、」


でもね。

小さな久遠のやわい手が、オレの髪を優しく撫でる。
向けられた確かな愛に、笑みがこぼれた。


「だいすき」
「・・・・・・・・・・・・・・フン、」


振りかざしたカカシの手が、まっすぐオレに向かって降り下ろされた。


"だいすき"


・・・今さら、口に出さなくても。
そんなのわかっていたさ。

また会おう、・・・・・・久遠、

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