“一尾狩りに行く”

サソリさんの言葉が頭の中で何度もリピートされて、あたしは小さく身震いしてしまった。
そんなあたしの肩を抱き寄せてくれるイタチ兄さんは、どこまでも優しい。

いかん、こんなキャラあたしじゃないぞ。
後から急に出ていったこと、サソリさんに謝りに行こう。


「・・・落ち着いたか?」


顔を覗き込んでくるイタチ兄さんに、小さく頷く。
イタチ兄さんの前でも、無理矢理笑顔を作ろうとしたら見破られてしまうから。
まったく、サソリさんといいイタチ兄さんといい、暁は聡い人ばかりで困る。


「っはぁー、すみません。なんかこんなのあたしのキャラじゃないですねそうですね!」
「ああ」
「うぐ、そんなはっきり言われるとなんか・・・」
「お前はどんな時でもバカみたいに笑いながら、駆け回ってるほうが似合ってる」


そうだろう?とサスケに向けていたような笑みを向けられたあたしは顔を赤くするしかないじゃないか。
あんなの反則だ。
キラースマイルダメ絶対。


「だが、」


あたしの肩を掴むイタチ兄さんの手の力が強まった。


「なにもかもをその笑顔の裏に隠そうとするのは、感心しない」
「・・・はい」


俯いたあたしの髪の毛をするするとときながら、イタチ兄さんはしばらく抱き締めてくれた。


「無理をするな」


また泣きそうになった。

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