「サッソリさぁぁぁぁぁあんっ!!」
「うぜぇ」


廊下を歩いていると、赤い頭を見つけたので即座にダッシュした。
それはもうボ○トなんて屁でもないくらいの速さでダッシュした。
そんなあたしの気配に気づいていたのか、サソリさんは華麗にお避けになられた。
はああんかっこいい!!その蔑む目もたまりません!!
いっそのことその綺麗な足でふんずけてくれないかな、あ、ちょ、サソリさん待ってえええ。


「てめぇその気持ち悪ぃくらいに変態さらけだすのやめろ、マジでキモい」
「ツンですね分かりますぶふぉっ」
「顔中赤く染めてやろうか?あ?」
「大丈夫ですもう染まってます言葉より手が最初に出てますもんサソリさん・・・!」


相変わらずツンケンなんだからサソリさんってば。
てこてこついていくと、一瞬顔をしかめられたけど何も言わずにいてくれた。
最近丸くなりました、このお方。久遠ちゃんうれし。
によによしながら意味もなくサソリさんの名前を呼ぶ。
鬱陶しそうにしながら傀儡をいじるサソリさん。キュートですがな。
そしてなんとなしにサソリさんがいじってる傀儡に目を向けた。

心臓が止まるかと思った。


「・・・ぁ、サソリさ・・・!!それ・・・、」
「あ?それ?」
「えええいいえええなんでも!なんでもないですっ」


三代目、風影。
サソリさんがサソリさんにとっての最後の戦闘で使った代物。
原作では、サクラの手によって粉々にされてた。
そして、そして・・・
サソリさんは、


「・・・っ、」
「・・・、久遠?」


訝しげに、あたしの顔を覗きこんでくるサソリさん。
なんでもないように笑ってみせれば、眉間にしわが寄った。え、なんでだ。


「・・・んな顔すんな」
「へ、」
「泣きそうなブッサイクな面だよ今のお前」


くしゃり。頭を乱暴に撫でられる。
サソリさんって、あたしの表情の変化を読み取るのがすごく上手いと思う。

ぽけっとサソリさんを見上げていると、ふいに口角を上げたサソリさんがそっちの顔のが似合ってるぜと嬉しいのかよく分からないことを言った。


「それ、三代目風影ですよね?サソリさんやっぱり強いですね!」
「あー?・・・ああ、知ってるんだっけか。そうだぜ、オレのお気に入りだ」


そう言ってまた不敵に笑ったサソリさんに見惚れて、原作の流れを忘れかけた時。


「今度一尾狩りに行くからな。もしもの時のためにメンテナンスしてんだ。・・・まぁ、その必要はねぇだろうがな」


今度は本当に、心臓が止まるかと思った。

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