愛し愛され争奪戦





最近、皆の様子がおかしい。
なにかあると、必ず俺に来るし、べったりになる。

「ゆうたん、おはよー」

朝から要を怒らせる元凶の千鶴が来た。
また朝から喧嘩でもするつもりなのか。
でも、違った。

「ゆうたんさ、背高いけど、すげぇ細いよな」

そういいながら、腕をさすさす触ってくる。

「ちょっ、…千鶴、くすぐった……」

「えー、何々、ゆうたん腕とか弱いんだー、えい!」

「ちょっ、や、ひゃ、くすぐっちゃ、だめぇ!」

「……………」

「やだっ、かなめっ、とめて!」

「小ザル、地に還れ」

「あ!ちょっと要っち!離せ、はーなーせー!」

「ったく……大丈夫か?悠太」

「うん……ありがと、要」

「……っ、おぉ」

「……………?要、何か顔赤くない?」

「き、気のせいだ。……それより、一時限目から体育だな」

「あ。そういえば、そうだったね。朝から体育とか鬼畜だよ全く。生徒会副会長の権限で、どうにかなんないの?」

「悠太の頼みでも、流石に無理だ」

「そうだよね……あ、どうしよう」

「…?」

「白T忘れちゃった…要、二枚持ってたりしないよね?」

「……持ってるぜ」

「あら、本当?」

「あぁ。その代わり、」

がたん、と机が鳴り、俺と要の距離が、キスできそうな位、近くなる。

「キス、させろ」

「……………へ?」

「いいよな、しても」

「か…かなめ……?ん、」

ちゅ、と軽いリップ音がして、要は離れた。

「ほら、白T」

「あ……りが、と………っうわ!」

「ねぇ、要。今俺の悠太に何したの?」

「ちっ…来るの早いんだよ………」

「要。悠太は俺のなんだから。気安くキスなんかしないで。悠太、こっち向いて」

「ん?」

ちゅ、

「……っ!」

「消毒、」

「な………っ!」

「……ほぉ…いい度胸だな、祐希」

「要に言われたくない」

「あー!二人して抜け駆け?このちー様差し置いて!ゆうたん!」

「な………んぅ、」

ぬる、と舌が入ってくる。
苦し………

ぷは、

「はぁ……は……」

「ゆうたんは、要っちのものでも、ゆっきーのものでもない。俺のものだから」

「…………千鶴、悠太奪うなんて、死にたいみたいだね」

「小ザル………てめぇには負けねぇよ」

「こっちだって、」

「……………はぁ」

軽くため息をついて、春の元に向かう。
いつも突然始まる俺の争奪戦。でも、これだけの人に争奪されるのは、

「愛されてるんだな、俺」

「はい?」

「うんん。何でもないよ、春。行こ」

「え。でも…」

「あの人たちは置いてっても大丈夫だよ」

今は、この何気ない幸せに、溺れているとしよう。











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フロイライン様より相互記念に頂いた小説です。

悠太総受をリクエストさせて頂いた所大変素敵な小説を書いて下さいました!
本当に嬉し過ぎて顔のニヤけるのが止まらない感じです。
悠太の唇の奪い合い、最高です!!
そして、愛されてる事に実感している悠太が小悪魔的というか、
可愛くて……私も惚れ直してしまいました><
相互して頂けて嬉しくて嬉しくて堪りません!
本当にありがとうございます!!

フロイライン様の素敵なサイト【 Sleep sky





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