チュンチュン――
「ん…朝だぁ」
わたしはふわぁっとあくびをする。まだ朝早い。わたしは人間だから、学校に行かなきゃいけないって牛鬼さまがいってた。だから牛鬼組にいるけどもちゃんと人間の学校に通っている。本家のリクオなんかも学校いってるしね。もはや雪女とか青もいってるしね!なんだかんだでわたしは女子高生を満喫している。早起きは苦手だけど、みんなの朝ご飯はわたしが作るから早く起きるようにしてる。
食後、時計に目をやると予想以上に針が進んでいた。
「7時45分…!!!!大変だ!もう出なきゃ!いってきまーすっ!!!!」
「名前ー!待ってよー!」
「馬頭くるならはやく!おいてくよ!」
これは日常茶飯事の光景。馬頭は毎朝、わたしの登校についてくる。というか牛鬼さまがわたしの護衛に馬頭をつける。友達と合流する場まで、馬頭と他愛もないおしゃべりをするのが毎朝の習慣。
「ねー名前!僕と牛鬼さまが留守だったとき牛頭に変なことされなかった?」
「えっ? 別になにもなかったよってゆーか変なことってなにさ…」
この質問をされるのは3回目くらいだった気がする。
「名前!馬頭丸くん!おはよー!!!!」
「あ 綾!おはよう」
「綾ちゃんおはよう〜!」
わたしの友達、綾と馬頭は仲良し。毎朝顔合わせてたら仲良くもなるよね。もちろん馬頭が妖怪だってことは内緒で、いとこってことにしてある。
「じゃあね名前!綾ちゃん!学校頑張って〜!!!!」
そう言って馬頭は家へ帰って行った。
「相変わらず馬頭丸くんかわいいよねー!あたしもあんないとこほしいよ〜!!!!」
「えへへ…」
綾は馬頭のことかなり気に入ってるみたい。まあ馬頭はかわいいし当たり前だよね!
「でもかわってるよね!骨みたいなのかぶって」
「あー…あはは、だね…」
あれは本物の骨です、
なんてまさか言えないよなぁ。
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