星を見終え、帰ってきた俺と名前。


「あー寒かった…」

冗談抜きで。まじで寒かったけど。名前が寒そうだったから俺のマフラーを貸した。俺はそんなにヤワじゃねぇとかいったけど正直寒かったことは内緒。


「付き合わせてごめんねでもついてきたのは牛頭だからね!」

「素直に感謝しろよ…」


名前は本当に素直じゃない。憎たらしいのだがそこがまた名前のかわいいところでもある。それにしても、勇気をだして手を差し伸べて本当によかったと思う。まさか名前から手を絡めてくるなんて思わなかったから。すげぇ嬉しかった。星をみている間、名前は無言だった。何か話そうかと思ったが集中しているようなので俺も無言でいた。手を離すタイミングを逃し、どうしようかと思ったがこの際だ、名前が離すまで繋いでいよう、と思い俺からは離さなかった。名前はずっと俺の手を握っていてくれた。家につくと名前は手を離してしまったが、俺の心はとても温まっていた。代わりに体が冷えたけどな。



「さっきお風呂沸かしたからもう入れるよ!牛頭入っておいでよ。」


名前が俺に先に風呂に入るよう促す。


「いい。名前先入れ。」

「でも牛頭付き合ってくれたし…」

「いーから先いけ。れでぃーふぁーすとだ!」

「…ありがとっ!」


本当はすぐにでも入りたかったが、名前も体が冷えていることだろう、先に名前を風呂へやる。女子は体冷やしたらいけないってなんかに書いてた気がするしな。名前は比較的早めに風呂から出てきた。きっと俺を早く風呂に入れるためだろう。そういう優しいところに俺はすごく惹かれる。

そして風呂へ向かう。


「名前の…風呂のあと…」


って俺は変態か!!!!いや 男はみんな変態ですが!!!!だって惚れてる女が入った風呂のあとだぜ…!!??男なら誰しも妄想を
繰り広げ…


「あーくそっ!!!!」


俺はしばらく風呂で理性と性欲を戦わせた。今日はなんとか理性が勝ったようだ。しばらくして俺は風呂からでた。いつもの二倍ほど風呂に浸かっていたのでかなり喉がかわく。


「名前ー、のど乾いた…って寝てんのかこいつ。」


ね、寝ちまってる!!!!ま まて…!!!!落ち着け牛頭丸…!!!!やめろ性欲…!!!!お前は今日理性に負けたんだ!!!!出てくるな!!!!

名前の気持ちよさそうな寝顔をみると俺の風呂上がりで火照っている顔がさらにあつくなる。


「っ あー俺も眠い。一眠りしよう。うん、そうしよう…。」


性欲に負けるのを恐れ、俺は眠ることにした。俺は名前の隣にそのまま横になる。しばらく名前を見つめた。幸せそうな顔で寝やがって…こちらとら大変なんだぞ!俺は自分の葛藤を可笑しく思い、ふっ、と笑う。そして名前の頭を撫でてやり、そのまま眠りに落ちていった。












理性と性欲、戦闘態勢
―俺は常に戦ってんの!







「牛頭、本当に名前に何もしてない…?」
「し してねーよ!!!!」
「何か考えてなかった…?」
「………」
「ほら!名前ー!!!!牛頭がァァァァ!!!!」
「やめろっつの!誤解だっ」




2011.04.02 改正
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