その日の晩、みょうじ家にて。
「刹、私明日から3日家空けるから。」
「え、なんで。」
「また聞いてないの?お母様と雪芽と刹で仕事だから家空けろって。」
「は、初耳っ!なまえはどうすんだ、また友達んち泊まる?」
「うん。竜二くんち泊まる。」
「ぶっ!ぅえあ、はあ!?」
「あ、竜二くんのお母様にメールしなくちゃ。」
「おぉぉぉぉおおい待て!竜二は男!お と こ!」
「うん?それがどうした?」
「…もういいです。」
同時刻、花開院家にて。
「母さん、明日なまえが来る。」
「あらそう!楽しみだわー!」
「うちに泊めてほしいそうだ。」
「もうメールで連絡済みよ!竜二ったらうまく騙したものね!女の子を泊めるなんて!」
「…俺は何もしていない。」
「あら、なまえちゃんからメール。"お世話になります"だって、なんだかお嫁にきてくれるみたいでドキドキしちゃう!」
「母さん…!」
「わかってるわよー、もう竜二ったら!」
「なまえ姉ちゃん泊まりにくるんかー、楽しみやなあ!」
「ゆらは関係ないだろう。寝ろ。」
「大アリやで!なまえ姉ちゃんとお風呂一緒に入って一緒の布団で寝てやるわ!どうや!うらやましいやろ!」
「風呂はともかく、あいつには客間を貸すからお前の出る幕はない。」
「竜二ったら、そんなに素直にやきもち妬いちゃって!」
「これのどこがやきもちだ。ふざけるな。」
数刻後、みょうじ家にて。
「なまえ、夜に竜二の部屋に行ったりするなよ。」
「なんで?」
「夜はな、どんな男でも狼に変身すんだよ。」
「竜二くんはしないと思うよ、刹じゃあるまいし。」
「んなっ…!俺がいつおっおおお狼になった!」
「あははー、焦ってるし。馬鹿。」
「なまえに言われたくないわ!」
数刻後、花開院家にて。
「竜二、なまえちゃんって何が好きかしら?ハンバーグ?カレー?」
「…オムライス。だと思う。」
「好きな食べ物まで知ってるなんて、竜二はなまえちゃんにゾッコンね!」
「だからなぜそうなる!あいつの弁当がオムライスだったからそう思っただけだ!」
「お弁当一緒に食べてるの?仲良しね、お母さん嬉しい!」
「…。」
(ま、竜二のとこならなまえをやっても大丈夫だろ。)
(早くなまえちゃんこないかしら、お嫁に。)