その日の晩。花開院家にて。


「りゅーうーじー!」

「…なんだよ母さん。」

「明日なまえちゃんちに行くんだって?ウフフ、ちゃんと挨拶するのよ?」

「…。」

「なんで知ってるかって?なまえちゃんとメールしてるからに決まってるじゃない!」

「そんなことはわかっている!」

「手土産くらい持っていきなさいねー。」

「はいはい。」

「ウフフ、お母さん準備しといてあげよっか?」

「なぜ母さんが張り切る!いいから余計なことはするな!」

「何々、兄ちゃんなまえ姉ちゃんのとこいくん?厭らしいことしたらアカンで。」

「するわけないだろう、ガキはさっさと寝ろ。」

「ガキやない!兄ちゃんなんか〇〇で××なくせに!なまえ姉ちゃんに言ってやる!」

「…言言。」

「うわああ!お母さん、兄ちゃん卑怯や!妹に式神向けてるで!」

「竜二ったら、女の子には優しくしないと。なまえちゃんにフラれちゃうわよ。」

「だ か ら、何で俺が!」





同時刻、みょうじ家にて。


「なまえ、もう寝るのか?」

「うん、もう眠いしねー。あ、刹。」

「なに?」

「明日放課後うちに竜二くんくるから。」

「あー、わかっ、て、はっ!?」

「お茶菓子くらい準備しといてー。私はケーキがいいな。じゃ、おやすみ。」

「ちょ、待てってなまえ!その、来るのは竜二だけか?」

「他に誰がいるってのさ。」

「…俺も参加させていただく。」

「え?うーん、まあいいけど。何で?明日忙しいんじゃないの?」

「忙しくない!」

「変な刹。じゃ、おやすみー。」





数十分後、花開院家にて。


「あら竜二、なまえちゃんもう寝るって!」

「なぜそれを俺に言う。」

「おやすみのメールくらいしたらどうなの?」

「する意味がわからん。大体、俺はなまえのアドレスなんか知らん。」

「心配ないわ、さっきお母さんが登録しておいたから!ほら、送って送って!」

「…人の携帯を勝手に触るな。俺は送らん。」

「母さん、抜かりはないで。私が既に送っておいたわ!」

「てめっ、ゆらぁぁぁぁああ!勝手に俺の携帯を触るな!お仕置き決定だ!」

「でかしたわ、ゆら!さ、退散しましょ!おやすみ竜二!」

「…くそ、これだからうちの女共はっ…。」





数分後、みょうじ家にて。


〜〜♪

「メールだ、…知らないアドレス?」

『母さんにアドレスを聞いた。もう寝るんだってな、おやすみ(^_-)竜二』

「…ゆらちゃん、かな。ふふっ。竜二くんも大変だなあ。」(竜二くんがこんな顔文字使うわけないしね。)





数十秒後、花開院家にて。


〜〜♪

「…。」

『ありがとう(^o^)!おやすみなさい。明日放課後ね!ゆらちゃんに、竜二くんはきっと顔文字なんか使わないよって言っておいて!笑』

「…ククッ、ったく、どいつもこいつも。…おやすみ。」




―ハナレテイテモ、ワカルヨ。
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