高校生の独白
元拍手



この感情にどんな意味を持ってるか僕自身わからないけれど
確かに言えることは、
僕はあなたの事が大好きです。




今思えば最初から僕はあなたの事が気になってたんだと思う。
カッコ良くて、いつも笑顔で、運動も勉強もなんでも出来ちゃうあなたに僕は知らず知らずのうちに惹かれていて、同じクラスになったときは多分とっても喜んだと思う。


一度だけ席が前後になり、その時あなたは僕を見て『お前って凄く良い目してるよな。俺もお前みたいな目だったら良かった』なんて微笑みながら褒めてくれたのを僕は今でもしっかり覚えているよ。
多分一番最初に僕の目を褒めてくれたのはあなただった。
別に自分の顔が良いとか悪いとか気にしたことなんてなかったけれど、あなたが褒めてくれてから自分の身体の中で一番『目』が好きな部位になったんだ。
だから他の人が僕の目を見て『良いね』と、あなたが褒めてくれた目を褒められると凄く嬉しくて
とても得意気な気分になるんだよ。


やっぱり素敵でカッコいいあなたには勿論恋人がいた。
少し生意気だけど凄く可愛い彼女だった。
あなたは彼女の事について皆にからかわれながらも嬉しそうで幸せいっぱいの顔をしていて、自分の事じゃないのに僕まで何故か嬉しい気持ちになったな。
けれどあなたはいつも皆と一緒に居るときは明るくて元気に振る舞っていたが、一人きりになると凄く落ち込んで『自分が嫌いだ。』『死にたい』とよく言っていて僕は何度もあなたのそばに行って
『大丈夫だよ。気持ちが軽くなるなら少し僕に話してくれない?』と慰めたかったが
あなたと僕はただの友達。
それも名前と顔とメアドしか知らない、その他大勢のうちのただの友達の一人。
特に共通の話題もなく、深い話も出来ない『友達』という名の知り合いにすぎなかった。
だから毎回あなたが悩んで苦しんでるときに何も出来ない自分が嫌で嫌で仕方なかった。
だけどあなたとの仲を縮めるための方法も話題も僕は知らなくて、ただ遠くの所からあなたを見てることしか出来なかった。


クラスが離れてもやっぱり僕はあなたの事が気になった。
あなたを見付けたら無意識に目で追いかけたし、あなたが笑っているのを見たら僕も笑顔になった。


学校を卒業して、僕は新しいケータイを買い
そのときにメアドも新しく変えたが、僕はあなたにはメアドを教えなかった。
他にも何人かこれから連絡を取り合わないだろう人にも教えなかったが、僕は迷った末にあなたには新しいメアドを教えなかった。
理由はもう忘れてしまった。


卒業してから一度だけあなたとあった。
昔と全然姿の違うあなたに少し驚いたけれど、どんな姿のあなたでも僕の目にはカッコよくてキラキラして見えた。
変わってしまったあなたに悲しく思う反面、昔と変わらない素敵な笑顔に僕はまた笑顔になった。


もしこれが恋なら、きっと初恋だったんだろう。
いつの間にか始まり、いつの間にか終わってた
ずっと気付かなかった僕の初恋。
だけどあなたは僕と同じ男だから、きっと違うと思う。
でも、あなたとの数少ない大事な思い出達を思い出すと何故か涙が溢れだして止まらないんだ。


連絡先も何もわからないけれど、
願わくば、また
あなたと友達になりたい。
そして、昔の自分には出来なかったことをあなたにしてあげたい。


これから先もずっと
僕はあなたの事が大好きです。





prev next

bkm
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -