元拍手
自分の顔が平凡だと自覚済みだが、どうやら僕には愛嬌があるらしく
男にも女にもモテた。
少し僕がニコーッと笑って『カッコいいね』『可愛い』『好き』と言うだけで相手はコロッと騙される。
こんなのただの人間関係を円滑にするための社交辞令で、特に意味もなく口先だけで言ってるのに何故か本気にされ、こんな平凡顔の何がいいのかわからないが告白は後を絶たない。
僕にも好みがある訳で女からの告白も男からの告白を断り、悠々自適に緩く生きてきた。
それなのに高校を寮付きの男子校というむさ苦しい所にしたのはただ単に通うのがめんどくさかったからで他に意味はない。
自分のレベルに見合った高校がどれも家から遠く、まだ1人暮らしをする訳もいかなくて結果寮付きの高校への進学に落ち着いた。
だが予想外だったのは男だけしか居ない男子校なんて絶対むさ苦しいと思っていた予想は外れ、むさ苦しいどころかキラキラと爽やかさや上品さがあり、通ってる生徒も何故かみんな顔が良くむさ苦しさとは程遠かった。
その中でも一際生徒会に入ってる生徒のカッコよさや美しさは群を抜いていた。
お世辞抜きで初めて見たときは無意識に『カッコイイ』と呟いてしまった程。
だからか僕は、この学校で一番カッコイイ会長も落とすことができるのかと興味が湧いた。
『まずはお近付きになるために親衛隊に入ろうかな』
完
解説
興味が湧いたと勘違いしてるだけで、本当は会長に初恋してるだけです。
ぶりっこ策士平凡があの手この手で会長に近付き確実に落とします。