神納くんには敵わない
リクエスト



「やめろ…いいからこれを早く外せ」
「てめぇ教師様に向かってなんて口の聞き方してんだよ。全く躾がなってないなぁ」
ネクタイで手を縛られ自由に身動きが取れない神納の顎を無理矢理持ち上げ目を合わさせると、神納は下からキッと俺を睨みつけてきた。

「生意気な目しやがって…」
「っ!?…ん…やめ…んぁ」
貪り付くように神納の唇を奪うと、最初は驚きながらも抵抗してきたが舌を絡めだすととたんに大人しくなり
唇を離す頃には抵抗が無くなり、目もトロンと蕩けきっていた。

「こんなんでこうなるなんて、この先が思いやられるな…」
ククと喉で笑い、未だこちらに戻ってきていない神納のズボンに手を伸ばす。

「…さっきのキス、よほど気持ちよかったみたいだな。ここ…スゲーことになってるぞ」
股間の膨らみに手を添えながら神納の耳元で呟いてやると
ビクッと身体を大きく震わせ、か細く『やめろ』と呟く。
いつもの生意気で、教師の言う事を聞かず反抗するあの神納が俺の手でこうも乱されているということに興奮し、俺のモノもキツくなってきた。

「どうして欲しいんだ?神納」
「……んっ」
太ももの内側を撫で焦らすと、赤い顔をしながら息を乱すだけで神納は何も言おうとしない。

「言わなきゃ俺は何もしないぞ…ほら、どうして欲しいんだ」
ペロリと神納の唇ギリギリを舐め諭すように言ってやると、神納は泣きそうな顔で俺を見上げ
「やぁ…せんせぇ…焦らさない、で。早く、俺の触って…お願い」
と言い俺の手に擦り付けるように腰を浮かせた。






「……神納くんもぉこーいうのやめましょうよ」
「はぁ?これの方が興奮すんだろ」
一糸纏わぬ姿でベッドに寝転がっている神納くんに不満をぶつけると、さっきまで満足気な顔をしていた神納くんに睨まれ、反論された。

「なんで毎回毎回シチュエーションやキャラなんて決めてヤるんですか?僕、そろそろ恥ずかしくて死んじゃいそうです…」
「ノーマルでヤるとか、んなの燃えねーだろうが」
今回のシチュエーションは手を縛られてる不良少年にお仕置きするネチネチ教師。
その前は入院してる患者を襲うセクシーナース。
その前の前は、鬼畜主人と淫乱メイド。
負担は神納くんの方が大きいし、なるべく神納くんがしたいように従っているが、流石にそろそろコスプレまでしてやるのが恥ずかしくて行為どころではなくなった。


「お前は俺の事嫌い?」
「…嫌いじゃないです」
「俺とエロい事するの嫌い?」
「…嫌いじゃないです」
「俺、お前と色んなシチュエーションでヤるの好きなのになぁ…」
これだ。僕は神納くんのこれに弱い。
神納くんはいつも強気ですごくワガママなのに、こうやってたまに不安そうな顔をして僕を伺い見てくる。
それが僕にとって可愛くて可愛くて仕方ない。
思わずどんな嫌なことでもなんでも許し、ベタベタに甘やかしたくなる。

きっと次の時も可愛い恋人の神納くんにお願いされたら僕は断れないだろう。

「…神納くんの好きにしていいですよ。神納くんが楽しいなら、僕も楽しいですから」
ため息をつきながら言うと、僕の言葉を聞いた神納くんはさっきまでの不安そうな顔が嘘のようにニッコリ笑い『今度はどーいうシチュエーションにしようか?…ねぇ、何がいいかな?』と楽しそうに聞いてくるのに僕は『出来れば言葉攻めがないのにして欲しいです』と返すのが精一杯だった。






解説
受けに尻に敷かれてる攻めの話が浮かんだので、そーいう方向性で書きました。
二人は同級生で高校生か大学生ぐらいです。
素では、受け溺愛敬語攻めとコスプレと楽しい事大好きな受けです。


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bkm
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