短編途中3(患者×看護師)
途中で飽きた



地元で小さい院を開いている医者である父さんと
父さんと一緒に働く看護婦の母さんを小さい頃からずっと見てきた僕は
将来は絶対父さんや母さんみたいになると決めていた。

夢を夢だけで終わらせず大きくなった僕は親元から離れ一人暮らしをしながら県内で一番大きいと言われてる病院で夢を叶え、看護師として去年から働き始めた。
僕が勤め始めた病院は大手の病院で給料は安定し、人員も他の病院と比べ格段に多いので忙しさは分散され負担も少なく、
仕事仲間も女の人の方が断然多いが僕以外にも数人、男の看護師も居るので肩身の狭い思いもしていない。
そんな恵まれた仕事場と遣り甲斐のある仕事に不満は全く無く、あるとすれば女の先輩の軽いお尻タッチのセクハラだけ
だけど最近、個人的な問題が発生してしまった。
僕が患者さんの事を好きになってしまい、しかもその患者さんが僕と同じ男の人っていう相当ヤバい問題
「よりにもよって好きになった人が男なんて、僕ってホモだったっけ?」






「おはようございます小柳さん。体調はどうですか?」
「おはよ千鶴くん。良好だよ」
読んでた本を置き、しっかり僕の目を見て挨拶をしてくる小柳さんに無意識に胸が高鳴ってしまうが素知らぬ振りをして体温計を小柳さんに渡す。
小柳さんは先週入院してきた患者様で噂に聞くと何処かのお偉いさんらしく
利き手を骨折しただけなのに入院し、しかもその入院してる病室もVIPルームという噂を否定出来ない程特別待遇をされており、ここぞとばかりに玉の輿を狙う独身看護婦達に日夜迫られながらも難なくそれをあしらっている。
小柳さん程の人なら結婚してなくとも恋人はいると僕は思っているんだが先輩看護婦達に
『恋人ってのは入院した日か次の日ぐらいには必ず会いに来るものよ、でも来ないってことは私達にもまだまだ玉の輿のチャンスがあるって事よ…ふふふふ』と言われてしまえば居たとしても先輩看護婦達に教えるのが不憫すぎて小柳さんに恋人が居るのか聞くに聞けない状態が続き、僕の恋も終わるに終われていない。


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bkm
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