王道×巻き込まれ2
初めて見た瞬間俺は落ちた。
あれは一目惚れだった。


俺、坂上 香哉は、
髪型はいつもボサボサで、ぶ厚い瓶底眼鏡のせいで表情が伺えず
だけど一見優等生に見えるがとてもフレンドリーで明るい。
という設定の猫をかぶっている。

何故そうしているかは、
1つ目は、俺の顔が美形な分類だから。
2つ目は、家族に大人しく過ごせと言われたから。
3つ目は、…俺の愛しのユキに近づき易くするため…

そのおかげでフレンドリーを装い、ユキの体を触りまくれる。
それにスキンシップをすることで、少しは俺に興味を持ったり、好きになってくれるかもと思っていたが
逆にユキは俺から離れていき、
俺の事を好きになったのはユキではなく美形共だった。

俺に惚れたのがユキじゃなくてコイツ等かよと思ったが、ユキを俺に惚れさせるためには無駄に顔がいいコイツ等の親衛隊は使えると思った。
そして俺は、美形共の親衛隊に、『俺はあいつ等と友達だけど、ユキは俺を使って生徒会に取り入ろうとしてる』と嘘を言い煽ると、単純な親衛隊共は直ぐにユキをイジメ出した。

そして俺は、イジメの事を知らんぷりしながら優しくすれば惚れるか?と思ったがユキは人一倍頑張り屋なのか、俺に頼ったり弱音を言わなかった。
そんなユキに、一生懸命耐えて可愛いと思う反面、もっと酷いイジメにしなくてはと思った俺は、会長の親衛隊に会長とユキがキスをしたというデマを話した。
すると聞いたその日に親衛隊共は動き出し、ユキを犯そうとした。
そして俺はギリギリの所まで粘り、犯されそうになったユキを助けに行った。

ユキを犯そうした奴を片っ端から殴り気絶させ、ユキを見ると泣いていた。
俺は優しくユキの頭を撫で、大丈夫かと聞くとユキは目から涙を流し頬を上気させながら必死に頷いた。
内心の俺は表とは裏腹に、服を乱れさせたユキが無意識に俺の服の端を掴んでる姿を見て鼻血が出そうになっていた。
ユキは平凡な顔をしているが無意識にする行動や仕草、それに性格がものすごく可愛い。
俺はユキにバレないようにニコニコしながらもユキ慰めた。




ユキを助けた次の日からユキは前にも増して可愛くなり、ユキ本人はいつも通りを装っているつもりだがユキは目に見えて俺にくっついてくるようになった。

俺よりユキの方が背がちっちゃいため、話す時はずっと上目遣い。
少し過激な俺からのスキンシップにも頬を赤らめながらも俺から離れようとしない姿に、俺は内心鼻血とニヤニヤが止まらない。

やっと得た幸せを一人深く噛み締めていると邪魔な生徒会の奴等が来て萎えた。
けれど会長がユキにだけ聞こえる声の大きさで昨日の事について言っていたのをユキの隣に居た俺にはバッチリ聞こえていたが知らないふりをした。
だって涙目のユキは可愛くて仕方ない。
それに生徒会のせいで萎えた心がまた興奮で沸き立つ。

俺は下を向いてるユキの頭を優しく撫でると少し顔を上げ、俺だと確認すると
『なんで?』という驚いた顔をしたあと泣きそうになっていたがヘラッと笑い『香哉どうしたの?』と聞いてくる姿に思わず抱きしめたくなった。



それから数日の今日、俺は仕掛けた。
美形共に、最近しつこくユキに迫られて困っていると伝えると、すぐに美形共は行動に移し、その日にユキをリンチしようとした。

ユキが生徒会室に入って直ぐ、美形共がユキに何か質問をしていた。
そろそろ頃合いかな?と状況を見計らい、ワザと大きな音をたて中へと入るとどんぴしゃで今にもユキが殴られそうな雰囲気だった。
ユキを見ると、ユキは泣きながら驚いたように俺の名前を呼んでいた。
あぁ可愛いなと思いながらも話を続け、生徒会の奴等が何か言う前に俺はユキの手をつかみ走り出した。
生徒会室から出る前にちらりと後ろを見ると美形共は現状に理解できず
、目を丸くしアホ面を晒していて思わず笑いそうになった。


適当な空き教室に入りユキに大丈夫かと聞くと突然ユキが一心不乱に俺に告白してきた。
驚いたがそれは一瞬のことですぐに優しく笑い
「俺も、大好きだよユキ」と言いながら軽く唇を合わせた。

気付いていたがこのタイミングで言うなんてホント、ユキは可愛いなと思っていると今度はユキが驚いた顔をして、
「‥いつ‥から?」
とまた涙を流しながら聞いてくるので
「初めてあった時から、世に言う一目惚れってやつだな」
っとユキの頭を撫でながら言うと信じられなかったのか不安そうな顔をした。

「ホントにホントにホント?」
「ホントにホントにホント。ユキこそ本当に俺の事好きなの?」
答えのわかっている質問をするのはただただユキに『好きだ』と言って欲しいだけ。

「…うん。大好き香哉。」
「俺もだよ、ユキ」

可愛い、可愛いユキは俺の策略によって捕まえた。
こんなことまでした俺にユキは驚いたり怒ったりするかな?





解説
完全に騙されてるユキくんと騙した?香哉くんです。確信犯です。

生徒会や親衛隊はいい駒として使われただけです。大本の原因は全て香哉くんのせい。

この先もこういうことが何度かあるがその度にユキくんは騙され、どんどんユキくんは落ちていくか、何も知らないまま幸せにほのぼのするかのどちらかです。


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bkm
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