イケメン×健気2
「にゃにゃ〜、にゃにゃにゃにゃにゃ〜」
ネコ語を喋る羽波の可愛さに、ただただ悶える俺。

「にゃ〜ん」
悶えてる声は全部ネコの言葉に変わってしまい伝わらないので、どんな言葉を言っても大丈夫ってのは得だなと思う。

「聞いて聞いてハル!今日俺ね、春樹くんと2回も目合ったんだよ」
目が合うだけで羽波が喜んでくれるなら何回でも見てやるし、そもそも俺がずっと羽波を見ていたい。

羽波の話しに出る春樹くんとは俺の事で、
昼間は人間なんだけど、何故か3〜4週間前から夕方になると猫になってしまう体になっていた。

最初は男なのに俺のことを好きだという羽波の気持ちを知り、正直気持ち悪いと少し嫌ったが、羽波の優しさや可愛さを知り俺はいつの間にか羽波にベタ惚れしてしまった。
両想いだし直ぐにでも付き合いたいとは思うが、猫の姿でいる方が役得すぎてなかなかこの状態から抜け出せない。


「ハル〜ハル〜。カッコいいぞハル〜♪」
可愛い羽波の声に「お前の方は可愛いぞ」と言ってるつもりだが、
現実では「うにゃ」という鳴き声になってしまう。
にへへと笑う羽波の膝の上に座ると思い出したように、
「そーいえば、最近春樹くんの笑顔の回数が多くなったんだよね。なんかあったんかな?うーん、理由はわかんないけど春樹くんが嬉しそうだと俺も嬉しくなるんだよね。
…あっ、勿論ハルがいてくれるだけでも俺は嬉しいよ」と言ってきた。
羽波の笑顔に俺も嬉しくなる。

それと、笑顔が多くなったのはきっと春樹くんに羽波くんという好きな人が出来たからだよと猫の姿で言うがもちろん伝わらない。



俺の朝はとても早い。
羽波と一緒に寝て、夜が空ける前に起き、自分の家に帰る。
朝になると自動的に人間の姿になってしまうので朝を一緒に過ごすことは出来ない。

学校での羽波はいつも通りとても可愛い。
俺を見て良いのは1日5回と決めて見ているらしい。
回数なんて決めないでジックリ見てくれて構わないのにな
俺は1日5回の視線になるべく気付けるように、いつでも羽波に見られたときに目が合うようにしている。
他のやつらと話していても勿論、羽波から目を離さないようにする。
そのおかげで今日も確実に目を合わせることが出来た。



そうこうしてる内にあっという間に学校は終わってしまい、俺は直ぐ様、羽波より先に羽波の家に向かう。
着いたときには猫の姿になり、羽波が帰ってくるまで、玄関でちょこんとお行儀良く待つ。

俺がお出迎えをすると羽波は嬉しいのか、いっぱい撫でてくれる。
撫でられるのは好きだから大人しくしてるともっと撫でてくれる。
羽波はひとしきり俺を撫でた後、部屋へ向かうのに俺も着いていくと、羽波はちゃんと扉を少し開けといてくれる。

こんな狼に、見られてるのに無防備に着替えちゃって…
ずっと見ていたせいか、羽波はこちらを向き「ハルのエッチィ」っと言った。
思わずプイッと余所を向き知らんぷりしながら下に行った。



「んー、もうそろそろ風呂入ろっかハル。」と腕を伸ばし、伸びをした
羽波を見届け俺は先に行ってバスタブの上でスタンバっとく。

猫の姿とはいえ羽波と一緒にお風呂に入れるなんて役得。
風呂場にやってきたあいつの姿に鼻血が出そうだと思いながらもジロジロと見ていると「ハール、ここおいでー洗うから」
と言って股間の前を指差した。
その位置はエロすぎる…

綺麗に洗われた上に良いもんを見せてもらい、良い気分で湯船に浸かりまたあいつをジロジロ見ると
羽波は俺を洗っていたときとは対照的にササッと洗って湯船の中に入ってきた。
手足が短いからしょーがなく犬かきで泳ぎながら羽波の元へ行くとギュッと抱き締められ「ハル可愛いすぎー」と言われた。
クソッ、可愛いのはお前だよ



風呂から上がり、ポカポカしながら羽波の腰辺りにいた俺は、羽波の顔まで行き、顔をペロペロと舐めた。
甘いなぁと堪能しているといきなり羽波は俺にプチュッとキスしてきた。
その瞬間、猫の姿だったのに元の人間の姿になってしまった。

羽波は「ななななななんで?!」と焦っているが焦っている姿もとても可愛い。

ハルが俺だと納得出来ないのか、戸惑う姿もたまらない。
「ハルは春樹くんで、春樹くんはハルってこと?」
俺が「そーいうことだね」と言うと、恥ずかしそうに「じゃあ今まで俺がハルに言ってた春樹くんのことって「全部、本人が聞かれちゃってたね」」
戸惑ってる表情に内心ニヤニヤしながらも、猫の姿では言えなかったあの言葉を言う。

「猫の姿だから言えなかったけど、俺も大好きだよ羽波」
ニコリと笑いながら顔を羽波に近付ける。
「ど、どの感情で?」という羽波に
「勿論、この感情で」と言って、今度は俺からキスをする。
最後に羽波に手を差し伸ばしながら「俺と付き合ってくれませんか?」と聞くと、無言でその手を捕まれた。
その手を見て俺はニコリと笑った。






解説
少し雑になってしまった感が否めませんが、攻め視点です。
最初は『猫になるしクラスメートの地味男に好かれてるしなんなわけ?神様俺の事嫌いなの?』と思ってたのに最終的には『猫最高。マジ役得。羽波めさ可愛い』とデレデレ。

猫にならなかったら春樹くんは羽波くんのことを好きになるどころか眼中にすら入れなかったと思う。
春樹くん爽やかな顔してるけど結構性格は悪い。でも羽波くんのおかげで性格の悪さは緩和していくと思います。


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bkm
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