変態×頭が弱い
僕の友達の司くんはちょっとだけスキンシップが激しいから毎回恥ずかしくなっちゃうんです。
「けーた今日も可愛いねハァハァ、ほら俺の膝の上においでよ」とカッコイイ顔を笑顔にしてポンポンと司くんは自分の膝を叩き僕を呼ぶ。
僕は、けーたこと敬太で少し頭が弱いってよく言われる以外は普通の男の子なのに、そんな僕を司くんは毎日毎日可愛いって言うんだよ?不思議だよねぇーっと脳内の誰かに語りかけながら僕はちょこちょこと司くんに近付いて行き、司くんの膝の上に座る。
「司くんおはよー。今日はいつもより早いんだね」僕より早いからビックリしちゃったよと笑って言うと
さっきまで健康だった筈の司くんが突然「グハァ、ハァハァ」と僕を抱き締めていた手を一つ離し、その手を口回りに被せた。
何処か具合が悪いのかと心配になり「司くん?保健室行く?それとも家に行く?」と顔色を伺いながら聞くと「保健室も捨てがたいが、やっぱホテルに行きた…ハァハァハァハァ」とさっきよりも酷い過呼吸になり、もっと僕が焦てて困っていると
「それじゃあ逆効果だぞ。とりあえず司から一旦離れろ」とクラスメートが助言してくれた。
それに従い僕が司くんから離れると徐々に過呼吸は落ち着き始めたがその代わりに何故か司くんは不機嫌になった。
「おい、俺からけーたを離させやがって一度…いや二度死ね」と助言してくれたクラスメートに向かって罵声を発してる司くんの元に僕は戻り「死ねなんて言うのは良くない」と怒ると
「け、けーたハァハァ。怒ってる姿もプリティだよマイエンジェル」と抱き締められそうになったが、全然反省してない司くんに僕は腹が立ち
僕を抱き締めようとした司くんの手を払いのけ「司くんのバカ!大嫌い」と言って僕は教室から出た。
だから僕が大嫌いと言い放ったあとの教室の酷い有り様を知るよしもなかった。




〜司side〜
ガラッとドア開けて教室から出て行ったけーたの背中をボーッと見届ける。
さっき言われたけーたの言葉は俺の頭がなかなか処理してくれず
「なぁ俺今、けーたに何て言われたのかな…?」
とクラスメートに問い掛けると
「大嫌いって言われてたな」
「…………けぇぇえぇえぇたぁぁああぁぁあぁぁああ」
やっぱり幻聴じゃない…
俺、けーたに大嫌いって!大嫌いって言われたぁ
「チクショー元はと言えばお前が!」
「いやいや、お前がけーたくんに変態行為してるからだろ!何けーたくん抱えながら腰とか尻とか撫でてんだよ」
「そりゃぁ、けーたの腰もお尻もキュートすぎて我慢できるはずも無いだろ!それに聞いたか?あの年でばーかとか可愛すぎるだろ…あっ」
けーたの可愛いお尻や体の事を想像しているとタラリと鼻血が出始めた。
そこからまたクラスメートとの喧騒が始まった。
クラスメートに存分に当たり散らし、少しテンションは高くなって来たが全くと言っていいほど気分は上がらない。
「ってか八つ当たりしてないで、けーたくん追いかけなくて良いのかよ」
「早く言えよ!」
けーたの行方を探しに行くために俺も教室から出ていき、足を走らせた。
一人ぼっちでけーた泣いてないかな?もしかして、知らない人について行ってるんじゃ?!
けーた可愛いしなぁ……
あぁ、どうか無事で居てくれぇー!!!!
〜司side end〜



何も考えずただただ走り続けて着いた場所は屋上だった。
別段屋上に思入れも無いのに気付いたら此処に来ていた自分に何故だと疑問を持ちながらも一人フェンスに腰掛けた。
「そう簡単に人に死ねって言っちゃ駄目なのに…。司くんのばーか」
本当は「ばか」も言っちゃ駄目だけど、それ以上に「死ね」は駄目なのに
僕が怒ってるのに司くん聞かないし、僕本当に怒ったんだからね!
それに僕、司くんにバカとか大嫌いって言って出て行ったのに追ってきてくれないし……、もうゴメンねしても許してあげないもん!!!!
……ううん、やっぱ許そ
だって司くんに大嫌いって言ったけどホントは司くんのこと大好きだし
司くんが酷い事言ったのはイケないことだけど僕も司くんに「バカ」って言っちゃったし次会った時はちゃんと謝らなきゃ
そう思いながらゆっくりと僕は目を閉じた。




ふと目を覚まし隣を見るとそこには僕を見つめながら頭を撫でてくれてる司くんが居た。
「何で司…くん…!?」
起き上がるとパサッと僕に掛けられていたのであろうブレザーが落ちた。
「けーた?俺すごい心配したんだよ?」
いつもの自信満々な顔を泣きそうに歪ませながら僕に話かけた司くんは今まで見たどの表情より辛そうで見てるこっちが涙が出た。
「けーた!?どうしたの?どっか痛いの?」
心配そうに僕の顔や身体を見比べながらペタペタと触ってる司くんにもっと涙が出ながらも
「司…くん、あのね…ばかってね、ゴメンね…」
っと言うと司くんは驚いた顔をした後にギュッと僕を抱き寄せた。
「俺が悪いんだからけーたは謝らないで」
司くんホントに僕に優しすぎるよ…
でもそんな司くんを僕は
「大好きだよ!大嫌いじゃないからね」
と必死に伝えると、司くんは「良かったぁ」とホッとした顔をした後
「俺もけーたの事大好きだからね!」っと言ってくれた。

その後二人で仲良く手を繋いで教室に戻ると
クラスメート達に「仲直りできてよかったな」と言われ頭を撫でられた。
司くんは何か言いたげに僕の頭を撫でたクラスメート達を見ていたが程なくしてバッと両手を広げ「おいで」と言った。
司くんに言われ僕は大人しく司くんの元に向かい定位置に座る。
やっぱり一番居心地が良い場所は司くんの近くだと僕は再認識した。
だって僕は、司くんが大好きだから!










おまけ
「なぁ司…、さっきからゴミ箱の周りで何してんの…?」
「…うーん?あぁ、けーたの鼻かんだティッシュや使ってたストローを救出してるに決まってんじゃん。見ればわかるっしょ」
「お前の将来はどうでも良いが、けーたの将来が心配でたまらない……」
「大丈夫!けーたを働かせるつもりは無いし」
「そーいう問題じゃねぇ!!!むしろお前が近くにいるから心配なんだよ!!!!!!」




おまけ 完


解説
この2人は付き合ってません。付き合ってません。
まだ今は清い関係だが、この先司くんが『友達同士ではこれが普通だよー』と言ってエロいことさせたり、したりします。どこまでのエロい事するかというと最後までいってるエロい事までやります。でも付き合ってません。
けーたくんはおバカさんなので司くんの言ってることを本当のことだと純粋に信じてます。
なので酷いのは司くんです。変態です。でも愛ゆえでしかもしっかり『これはね本当に仲良くてお互い好き好き同士でこの人とならしたいって思う人とじゃなきゃしちゃダメなことだから、俺以外とはしちゃダメだからね?』と言い付けてるので私は許しました。


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bkm
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