女装×平凡
今日も今日とて友達と一緒に繁華街に行き、可愛い女の子探しをする。
いやまぁ、ぶっちゃけ俺も友達も顔は普通だから
ナンパが成功して遊ぶまでは行けるが、
どーしてもヤるまで行かないので未だ二人とも童貞のまま


「尚輝ぃー」
「んー?可愛い子見つけたの?」
いつも通り繁華街の道の途中で二人で立ち止まり、可愛い子探しに勤しでいると友達のサトがポンポンと肩を叩きながら話しかけてきた。
「あの二人組の女の子良くね?」
サトに言われ、俺もサトの見ている方を見るとそこにはミディアムの可愛い子ちゃんと長髪でワンピースの美人さんが居た。
「いやいや俺達にはレベル高過ぎじゃね?」
サトはもう一度女の子達を見て、一呼吸置いた後
「…だな」と言い、他の可愛い子を探し始めるのを見届け
俺も他の子を探し始めようとその子達から目を離そうとしたとき、ミディアムの可愛い子ちゃんと偶然目があった。
が、たまたまだろうと思い視線を外し、俺もサトと同様に他の可愛い子を探し始めると
突然とんとんっと、肩を軽く叩かれた。
「早いなぁ、サト。もう可愛い子見つけ…」
叩いた人物の顔を見て、思わず言葉が止まった。
いや、だって…
「何なされてるんですか?」
ミディアムの可愛い子ちゃんが目の前に居るんですもの!?
「えっ?いやっ…ナンパしようと可愛い子探しをして…ってか…えっ?なんで?!」
ミディアムの可愛い子ちゃんはニコニコ笑ったまま
そして、ミディアムの可愛い子ちゃんの隣に居た美人さんが
「なら私達、丁度暇だから一緒に遊んでくださりませんか?」
と、なんともレベルの高い可愛い子ちゃんと美人さんからの逆ナンパ?をされた。
突然の事にオロオロし出し役に立たない俺に代わってサトが「是非とも!楽しい1日にさせましょー」と返事をすると
「それは嬉しいわ」と可愛い子ちゃんと美人さんがキャッキャし始めた。
それを近くにいるはずなのに、どこか遠くに感じながらも
こんなレベルの高い2人と1日限りだとしても一緒に居れることを幸せに思った。



サトは、じゃあと言い
「愛美ちゃんと楓ちゃんは行きたい所とかある?」
美人さんの名前が愛美さんで、ミディアムの可愛い子ちゃんが楓ちゃんだと、さっき本人達から教えてもらった。
2人は「うーん…?」と指を顔に当てながら深く考えたが、思い付かなかったのか
「尚輝くん達の行きたい所で良いよ」と言われてしまい、今度は俺たちが深く悩む番になった。
「……定番で言ったら遊園地とかだよね」
と俺が言うと楓ちゃんがキラキラした目で「行きたい!行きたい!」と言ってくれ、即座に目的地を決めることができた。



俺とサトでいつもナンパしている繁華街から、電車で1時間もしないで最近話題の遊園地に着いた。
「案外遊園地近いな…」
一人誰にも聞かれない程度に呟くと、愛美さんの隣を陣取っていたサトが俺の前まで来てコソッと
「ここ来ながら思い出したんだけど、確か尚輝って絶叫系もホラー系無理じゃなかったっけ?」
それに俺は苦笑しながら頷くと、サトは『あちゃー』という顔をした。
何か原因があるのではなく、ただただ高い所から真っ逆さまに落ちたり
お化けなど非科学的なものだとわかっていても怖いのだ。
高校に入ってから一度『もう高校生だし、自然に苦手が克服出来てるだろう』と鷹をくくり小学生低学年の時ぶりに、サトや他の友達と遊園地に行ったが
小学生低学年から苦手意識や恐怖感は変わってなく、絶叫系やホラー系に怖がる俺を面白がって、サトや他の友達につれ回されたのは
今でも、よぉーく覚えている。
「勿体無い…。楓ちゃんってモロ尚輝好みじゃん」
そうなのだ!ミディアムの可愛い子ちゃんこと楓ちゃんはドストライクで俺の好みなのに、絶対にあんなカッコ悪い所を見せたくないんだよ!




…結果から言おう
隣にモロ好みの楓ちゃんが居ながらも、絶叫系やお化け屋敷などで年甲斐もなく泣き叫んでしまった。
どう格好を着けようが、怖いものは怖いのだ仕方ないだろう…
今さらどうこう言ってもどうにもならないが、この遊園地の絶叫系やお化け屋敷怖すぎだろ…
今は、絶叫系やお化け屋敷など一通り回り終わったので、休憩がてら楓ちゃんと愛美さんで飲み物を買いに行った。
その間だらーんと俺は放心状態でベンチに座っている所にサトが突進してきた。
「尚輝マジカッコ悪かったなー」
いや、もうこれはしょうがないだろうよ
「ここのアトラクション怖すぎ…もう叫び疲れた」
サトに言い返すと同時に
「尚輝くん、いっぱい叫んでたもんね」と可笑しそうに笑いながら飲み物を両手に持っている楓ちゃんがいた。
「あっ…お帰り。」
「うん、ただいま。はいっ、飲み物」
そう言い飲み物をくれた楓ちゃんにお礼を言い、さっきの自分のカッコ悪さを楓ちゃんに見られたと思うと恥かしくて、顔を赤くさせてると
愛美さんが「この後どうする?」という話しを振った。
「えっ?…うーん、サトはどうしたい?」
「俺?…まだ時間あるし愛美さんと二人っきりになりたいかな」
こ、こいつ…!?
なんでこんなに行動力があんだよ!同じ平凡だろ!?
「うふふ良いわよ。じゃあ、尚輝くんは楓と一緒になるけど良い?」
「も、勿論ですとも」

そこからサトと愛美さんと別れ、楓ちゃんと二人きりになったが…
俺、どーすれば…
「と、とりあえず、まだ観覧車に乗ってなかったし乗ろっか」と少し強引気味に誘うと、「良いね」とニコニコと笑い返してくれた。
それに良く思い、
俺は緊張もとれたのかスラスラ話をすることができ、話題は尽きることがなかった。
観覧車に乗る頃には二人とも冗談が言えるほどにまでなった。

「尚輝くん面白いなぁ」
相変わらず楓ちゃんが可愛くて二人っきりの個室という状態にドキドキしながら、今日はもしかしたらもしかするかもという気持ちになり
「楓ちゃんは彼氏とか居るの?」と意味ありげな質問を投げかけると
「いないよ」と淡々と言った。
楓ちゃん程可愛い子に今は彼氏居ないとか、これは行くしかないだろ考えてると
「尚輝くんは彼女いるの?」と逆に聞かれ、平凡な俺に彼女なんて居ないよと言うと
「尚輝くんに恋人居ないとか勿体無いよ!尚輝くん可愛いし…。尚輝くんは楓の事好き?尚輝くんさえ良ければ楓と付き合わない?」と、まさかな返答が返ってきて、焦りながらも
「大好きです」と伝えた瞬間、唇に柔らかい物が当たった。
えっ?と考えてる内に
「良かった。俺、尚輝に一目惚れしてたから断られたらストーカーになりそうだったよ」
と、さっきと変わらない可愛い笑顔を浮かべながら、理解出来ないことを言い出した。

えっ?待って整理させて…
今、俺は楓ちゃんに告白されて、それに「大好きだ」と返答したら柔らかい何か…多分楓ちゃんの唇…?
って事はキスされたのか俺?!
嘘!ファファファファーストキス…楓ちゃんとキスしちゃった!!
ん?でもキスした後、楓ちゃん変な事言わなかった?
『一目惚れ』とか『ストーカー』…ってか、気のせいでないなら『俺』って言わなかったか?
「どーしたの尚輝?可愛い顔してると食べちゃうぞ」
可愛い顔してるのはあなたです
って違う!
「楓ちゃん、どーいうこと?!」
「どーいうことって、こーいうこと?」と言いながら、俺の手を掴み楓ちゃんの下半身に手を持っていった。
楓ちゃんの下半身には女の子には無いはずあの膨みがあった…
「俺、男の子。どーゆぅーあんだーすたん?」
こんなに可愛いのに男なんて…
って事は俺は今日から男と付き合うってこと?
「尚輝は可愛いなぁ食べちゃいたい」
「さ、さっきまでの楓ちゃんは何処へ…」
「ん?上手いこと尚輝の理想通りの女の子になれてた?」
そりゃ、俺好みな見た目をなさってる上に性格まで可愛いからメロメロでしたよ!はい。
「尚輝が可愛い過ぎて、何度俺のジュニアが立ちそうになったことか…、ジェットコースターに乗り終わった後のあのウルウルした目とか、お化け屋敷で驚かされるたびにビクビクしたり可愛いよ尚輝ハァハァ」
変態的なセリフなはずなのに、見た目が可愛いから許せてしまう
「男でも、こんなに可愛いんだし…大丈夫ヤれるはずだ」
と自己暗示してみたが
「何言ってんの尚輝?俺が掘る側だよ」という言葉に最後の希望まで失われた。

もうあれだ!どうにでもなれ!
楓ちゃんが可愛いし、男とか女とか俺が掘られる側とか全部受け止めてやるよ。
「尚輝。初めては痛いかもしれないけど大丈夫。いっぱい慣らすから」
もしかして、観覧車から降りたらホテルへ直行?
俺は童貞より先に処女が無くなるみたいです…










おまけ
「罰ゲームが女装って、男としての何かが失った気がする」
「楓は女装似合うだろうなぁって思ってたけど、その辺の女の子以上に可愛いわよ」
「こんな幼馴染みを持ってしまった俺はなんて可哀想なんだ…」
「なんとでも言うがいいわ。そもそも、私にマリカーで負けた楓が悪いのよ」
「あーはいはい、そうですね……なぁ愛美、あれって何やってると思う?」
「ん?…あぁ、ナンパじゃない?ああやって可愛い子探して、見付けたら遊びに誘うんでしょ」
「俺さ、一目惚れしたっぽい」
「ふーん…はっ?えっ?私の見間違えじゃなきゃ男よ、いつからホモになったのよ?」
「今、目合った…うわっ超可愛いハァハァ」
「人の話聞け変態」
「なんとでも言え、あんな可愛いアイツが悪い。よし、折角女装してるしこんなチャンスは二度と無い…愛美、ナンパしに行くぞ」
「あーはいはい。好きにしなさい」



解説
ナンパしてるけどチャラ男ではないです。ノリです。見た目も平凡、中身も平凡。大学生ぐらいです。
女装っ子の方は高校生ぐらいでこれからどんどん背伸びたり、骨格が大人びてきて可愛いとは言えない姿になります。イケメンに変身です。
ちなみに幼馴染は大学生。結構尻に敷かれる事が多くあまり逆らえない相手です。


prev next

bkm
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -