爽やか×汗フェチ
勝利を掴んだときの嬉しさ満天の爽やかな笑顔!したたる汗!独特な匂い!最高…最高過ぎるよスポーツ!!!
グランドを区切るフェンス越しに、汗をかき爽やかさ満点のスポーツ青年達を食い入るように見て「うおっ!山崎先輩、先週より筋肉ついてる上に肌が良い色に…ハァハァ」と見つめていると不意に後ろから「ほらほらヨダレ出てるよ平汰」と口をハンカチで拭かれながら声をかけられた。
「わりぃわりぃ、ってか山崎先輩超良い色じゃね?」
山崎先輩から目は外さずに言う。
俺の趣味であるスポーツ青年鑑賞に何も言わず俺の隣で一緒に部活風景を見ていた蓮は、俺の言葉を聞いて山崎先輩に目を向けた気配がした。
「確かに良い色だけど、将来ガンになりそう…」
蓮の発言に山崎先輩に向けてた視線を蓮に寄越して
「あの健康そうな色が丁度良いけど、俺も山崎先輩の将来が不安になった…」
と正直な気持ちを告げると蓮は笑いながら
「平汰は不満かもしれないけど、後で山崎先輩に日焼け止め塗るように勧めなよ」と提案した。
不満だけど、山崎先輩良い人だし長生きして欲しいから、しょーがないか…
「そーしとく」
スポーツ青年鑑賞が趣味の俺は、いつもスポーツを見ている内に『あそこが甘い』やら『そこはこうした方が』と思うようになり、一回我慢ができずアドバイスをするとそれが良かったみたいで、これからも気付いたことがあったらアドバイスをしてくれるようにお願いされるようになった。
今じゃ、部活してるスポーツ青年達皆さんと顔見知りになり、先輩後輩関係なく意見を言える立場になった。



部活終わりに無事山崎先輩に日焼け止めを塗るように言い、家までの帰り道を蓮と一緒に歩く。
隣で歩く蓮を見ながら『やっぱどこからどう見ても、イケメンスポーツ青年だな』と考えてると蓮は俺の視線に気付き「どーしたの?」と聞いてきた。
俺は、はぁーっとため息をつき「お前が汗水垂らしてる姿を俺はもっと見たいよ」と言う。


何故俺が蓮程のイケメンと仲良くなることになったかというと、原因は俺の趣味故の行動からだった。
蓮を初めて見た人達は大抵『カッコいい』と言い、男子は取り入り、女子は彼女の座に着こうとアピールするっといった感じなのだが、俺も蓮をカッコいいと思ったがそれよりもただただ『あの人が汗水垂らしてスポーツしてる姿を見たい』という事を思った。
最初の頃はただのクラスメートに『汗流してる姿を見せてください』なんて言うと引かれるというのは目に見えてわかっていたので影からひっそりと気付かない程度に見ていたのだが、あるとても暑い日の体育の授業中に初めて見た蓮の汗を流してる姿が素敵過ぎて授業中だったのに勢いよく鼻血を出し、気付いたら保健室のベッドに寝転がっていたという滅多に無いであろう奇跡体験を経験した。
蓮のとても素敵な姿を一瞬だけ見て鼻血を出してしまったので凄く勿体ないことをしたとそこでやっと気付き落ち込みながらベッドから起き上がると、なんと何故かベッドの横に椅子に座って俺を見つめている蓮が居た。
「あっ、大丈夫?痛むところとか無い?」
と喋りかけられながら近付かれ、その時不意に蓮の汗の匂いがした
…汗なのに超良い匂いなんだけどハァハァ
良い匂いで思わず我を忘れ、近付いていた蓮の首に腕を回し蓮の首元に顔を埋めておもいっきり息を鼻で吸った。
嗅ぎ満足して我に帰り今自分がしてしまった過ちにやっと気付いた。
勢いよく蓮をパッと離し、ベッドで土下座をしながら「すんません良い匂いすぎてやっちまいました」と言うとクスクス笑う声が聞こえ少し顔を上げて笑ってる相手、蓮の顔を見ると蓮は俺を真っ直ぐ見ており
「怒ってないから顔上げて」と言われた。
おずおずと頭をあげるが、正座はとかずにもう一度、今度は蓮の目を見て「本当にすいません」と告げると
蓮は『んー?』と考える素振りをしてそのあと
「平汰くんって匂いフェチなの?」と聞かれた。
…俺って、匂いフェチなのかな?でも汗限定なんだけどなぁと思い
「匂いって言うより汗フェチ…あと、平汰で良いから」
俺が汗フェチというと疑問そうな顔をした後、自分の格好を見て納得した顔をした。
「汗フェチって変わってるね。僕の事も名前で良いから」
「マジですまん。前々から蓮がスポーツで汗かく姿を見たくて、見たら思わず鼻血出して気絶した上に汗の匂いまで嗅いじゃって…本当になんて言ったら良いか」
蓮は何故かビックリした顔しながら「平汰が鼻血出したのって僕見てたからなんだ…」
許して欲しくつい言ってしまった事に気付き、自分の口を手でふさいだ。
わぁー、前々から汗かく姿見たいなんて絶対引かれたよ…
蓮に気持ち悪いなんて言われたら俺もう立ち直れる自信ないよ
ってかなんで、こんなに暗い気持ちになってんだよ俺
「き、気持ち悪い…よな。ごめん」
そう言って直ぐ様その場から離れようと立ち上がろうとしたが「ちょっとだけ僕の話聞いてくれない?」と言われ
「理由は違うけど、前々から僕も平汰ことずっと見てたんだ」
と告げられた。
言われてる意味がわからず「は、はぁー」と合いの手を打つと
「僕実は平汰の事ずっと前から好きで…、勿論恋愛感情でだよ?
正直言って抱き着かれたのも、見てたって言われたのも不純だけど嬉しかったんだ」
思いがけない出来事に目を丸くしてると
「平汰は僕の汗の匂いが好きならいくらでも嗅いでいいし、付き合ってくれなくても良いから、僕のソバに居てくれない?」
と言われた。
蓮の言葉を聞きながら色んな事を短い間で考えた。
そして結果が出た「無意識で俺、蓮の事恋愛感情で好きだって今気付いた」
今度は蓮が目を丸くした。
「いや今、蓮に言われて気付いたんだけど俺、今まで特定の人の汗かく姿を見たいって思ったのって蓮だけなんだよ。
蓮の事が好きだったから無意識そう思ってたのかも
それに蓮に嫌われたくないと思ったし」
なんで今まで気付かなかったのが不思議な位、今は蓮の事が大好きだ
「平汰…幸せにするよ」
「おう」




まぁ恋人だから、こんなイケメンの蓮と一緒に居られるわけ
俺の趣味をわかってるのに蓮は俺を嫌わないでいてくれたり、俺の趣味に付き合ってくれたり
もう蓮が居なきゃ生きていけないぐらい好きだ
「汗かいてる姿が見たいなら、今からベッドに行っちゃう?」
「うーん…、俺の趣味に毎回付き合ってもらってるし、今日は俺が蓮にサービスしちゃうよ」
「楽しみにしてる」
蓮はスポーツマンじゃないけど、そんなこと関係ない
俺はどんなことがあろうと蓮が一番大好きだから










おまけ
「蓮って部活やらないの?」
「…うん」
「なんで?蓮なら絶対カッコいいのに」
「…理由聞いても平汰は僕のこと嫌いにならない?」
「俺が蓮の事嫌いになるなんてあり得ないから」
「…僕さ、極度の運動音痴で走るのから球技まで苦手で」
「苦手ならしょーがないよね、うん」
「スポーツマンじゃないから嫌いになった?」
「全然!俺は蓮だから好きなんだよ?だから、蓮がスポーツマンじゃなくても大好きだし」
「僕も平汰が大好きだよ!愛してる」







解説
完全に文系で運動一切出来ない攻めって可愛いですよね。
ボールはいつも顔面キャッチで走るフォームは綺麗なのに激おそとか可愛い。
受けは汗フェチなだけで別に男が好きなわけではないです。鑑賞したり、独特なあの匂いが好きなだけです。変態です。
あと誘い受け兼襲い受けです。攻めよりもっと肉食系です。


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bkm
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