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 次の日少し早めに起きてNのお金でかわいいカフェなんかでお茶をした後にNに黒くて長い車がお迎えに来てわたしたちは別れた。家に帰ってからは昨日ほっぽいたままのバックを持ってそのままわたしはサンヨウシティに向かった。ライブキャスターには誰からの連絡もなかった。
嵐のような一日を過ごしてはその後の学生最後の夏休みは特になにもなく終わってしまったが、就職先が決まってこのままマコモさんの研究所で働かせてもらうことになった。ありがたい。












 クダリの赤ちゃんの件は嘘だった。彼女の子宮はすっからかんだった。クダリは彼女と完全に縁を切ってもう一度わたしと付き合ったがなかなかうまくいかなくて付き合ったり別れたりを繰り返しているうちに自然消滅した。そのあとノボリとよく飲むようになったわたしは一々世話を焼いてくれるノボリのことを好きになってみた。Nとはあの朝別れたあと一回も会っていない。明日は卒業式だ。入学式のスーツとは違う華やかな袴に背中をピンと立たせてもらい、4年間の大学生活を思い出して少しだけ涙がこぼれた。入学式の時より気持ちが高ぶって体がぽかぽかしていたからか、Nはわたしの前に現れなかった。連絡をしようと思ったがわたしは彼の連絡先を知らなくて、開いた電話帳のままわたしは式場に向かって走った。

明日からわたしは子供やめて大人になる。



感情的なカメレオン

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