僕らの精一杯(15000hitキリリク)※R18

「今夜、うちにこない?」

そう言って臨也が静雄を誘った。臨也とするのは、そう珍しいことではない。
静雄が返事をする間もなく、臨也は静雄の手を引くと、そのままタクシーに押し込む。
強引な男だ。けれども、断らない自分がいる。静雄はそれが不思議だった。
部屋に着くなり臨也は静雄を寝室に連れ込み、そのまま押し倒した。静雄は見降ろしてくる臨也を横目で睨み付ける。

「何?その目」
「何でもねぇよ。ヤるならとっととヤれよ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」

にやりと臨也が笑う。静雄は舌打ちをした。

「ふ、ぅ……!」

慣らすのもそこそこに、静雄は臨也自身を秘部に受け入れさせられる。
こんなの、いつものことだ。独りよがりなセックスなんて、いつものこと。
痛みと快楽、二つの感覚を臨也に与えられる。なんだか腹立たしいと思う反面、それを甘受してしまっている自分に、静雄は気付いている。
この気持ちは何だろう。愛だなんて言葉にしたこともなければ、恋なんてしたわけでもない。

「随分、きついね」
「あ、たりまえ、だっ……しねっ!」
「イイの?」
「ば、かっ……う、ぁっ!」

ず、と臨也が奥に入り込み、好き放題に静雄の内部を蹂躙する。静雄は思わずびくびくと肩をはねさせた。
何度も体験しているこの感覚だが、やはり慣れるものではない。とはいえ、最初の頃よりはずっと、気持ちいいと感じてしまうのではあるが。

「ま、待て……いざっ……」
「もう?もっと楽しもうよ。ねえ、シズちゃん?」
「やめっ……うぁっ!」
「……もう少し」

臨也の背にしがみつくと、静雄は爪を立てひっかくように傷を残してしまった。
痛みに臨也が眉を顰める。それにさえ、静雄は反応してしまう。
臨也はずるい。いつも

「そんなに、イイの?」

律動を速めながら問う臨也に、静雄は首を振って否定した。
きっとわざとなのだろう。臨也は静雄のイイところを何度も掠めるのだ。

「イイくせに、素直じゃないなぁ、シズちゃんは」
「し、ねっ……」

静雄は臨也の肩をぎゅっと握り締めると、そのまま秘部をきつく締め、張り詰めた自身から欲を吐き出した。
びゅっと勢いよく出たそれは、二人の腹を汚す。

「う、ぁあっ……」
「ちょっ……締めすぎ、だよっ!」
「う、ぁっ…!」

奥まで勢いよく突き上げると、臨也は静雄の中に欲を吐き出した。

「あ、あつ……」

さらに数回抜き差しを繰り返し、静雄の中にすべて吐き出すと臨也はあっさりと自身を引き抜く。それから、静雄に覆い被さるようにして倒れ込んだ。
臨也の体温を直に感じる。暖かい。

「は、ぁ……」
「……うぜぇ」

舌打ちをしてそう言うと、臨也は顔を上げると静雄の前髪をさらりと撫で、額を露わにする。
優しいその手付きに、静雄は怪訝な顔で臨也を見た。
てっきり、馬鹿にされるものだとばかり思っていた。それなのに、静雄の予想に反して、臨也の目はいつもよりずっと穏やかなものだった。

「好きだよ、シズちゃん……」
「はぁ!?」

臨也の唇が静雄に額に触れる。
そんなふうにされると、静雄は錯覚してしまいそうだった。
以前と違う、臨也のこの触れ方。優し過ぎて、違和感を覚えてしまうくらいだ。

「ほら、シズちゃん、まだ寝ちゃだめだよ」
「は?」
「中に出してちゃったからね。後処理をしておかないと」
「あと、しょり……?」

嫌な予感がする。ぼんやりとしたままでありながら、静雄は臨也を睨みつけた。
しかし、ぺちんっ、と額を叩かれ、思考が戻り始めた。

「腹を下したいなら、そのままでいいんだけど?」
「手前の手なんか借りねぇよ!」
「ふぅん?じゃあそこでしてみてよ。中に出したものを掻き出すだけなんだから」
「ざっけんな!誰が手前の前でするか!」

静雄がそう言うより早く、臨也はぴったりと合わせていた体を起こし、静雄の足を限界まで開かせる。
熱いほどの体温が離れる。静雄は少し、寒く感じた。
しかしすぐにあまりの醜態に気付き、静雄は慌てて足を閉じようとした。

「やめろ、ばか!」
「大人しくしてなさい。ね?」

にこりと微笑まれて、静雄はどうしたらいいか分からなくなった。臨也に視線を向ける。
そんな静雄の視線など気にした様子もなく、臨也は静雄の秘部につぷりと中指と人差し指を入れた。
先程まで臨也のペニスを受け入れていた後孔は、何の抵抗もなく指を受け入れた。

「なっ……!」

悲鳴のような声を上げた静雄なんかお構いなしに、臨也の指は何度も出入りを繰り返し、中に吐き出した白濁を掻き出す。
そうしなければ腹を下すと言われても、静雄はそんな羞恥に耐え切れなかった。

「はなせっ……おい、臨也っ!」
「もっと色気のある声が聞きたかったんだけどなぁ」
「ざっけんな!」
「まったく……」

ぐちゅぐちゅと音を立て、臨也は文句を言う静雄を無視して処理を続けた。

「終わったよ」

中に出したものをあらかた掻き出し終えると、そう静雄に声を掛けた。
静雄は羞恥と悦楽と、それからプライドが傷ついたのか、悔しそうな目で臨也を睨み付けていた。

「はい、おしまい。そんな顔しないでよ」

臨也のその言葉にほっと息を吐く。
嫌な予感がしたのは確かだけれど、まさかこんな目に遭うとは思わなかった。恥ずかしいにもほどがある。

「しね、ノミ蟲……」
「まったく……」

呆れたような臨也の声が聞こえたような気がしたが、疲労と安心感から、静雄はそのまま眠りに落ちていった。

「今度、ちゃんと返事聞かせてね」

だから静雄は知らない。臨也がそう言って唇に口付けていたことを。


おわり


15000hitキリリクにて、ロキ太様よりリクエストいただいた臨静甘裏でした。
甘くなっているのかどうか…甘くしたつもりです!どうぞお受け取り下さい!
返品、および書き直しも受け付けております!
このたびはリクエストいただき、本当にありがとうございます。
お時間いただきまして、申し訳ありませんでした!


'10.11.08 七草


[←prev] [next→]

[back]

[top]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -