茂る草木、動物の鳴き声、澄み渡る晴天!これぞサバイバル日和。まあ数日前にフェイとしたばっかだけど、何度しようといつも新鮮だ。自然と一体!近頃人間はコンクリートジャングルに慣れすぎてしまった。おのが大自然の一部に過ぎないことを忘れてしまっている。なんたる自尊心。人は一度でもこうして自然に身を任せることを義務化すべきだと、私は思います!そうして自分の小ささを学ぶのです。自分の愚かさを知るのです。さすればきっと、この人間による独裁もなくなるだろう。なんてね。私の趣味の一環であるサバイバルのよきを語ってみましたが、それで世界が変わる訳も、地球の自転が反時計回りになる訳もなく。私がこうしている間でも、世界は変わって、変わらないのだ。変わるのは、多分自分だけ。それでも変化があることはよきことかな。悲しきは何も変わらず変えられずに終わることだ。因みに私のオーラは変化系です。
四次試験会場であるゼビル島に三番で上陸した私は、ターゲットを探すこともなくフラフラ森を探索。二、三日経った頃から私をつけている人がいるけど、それでも構わずあてもなく歩いた。途中ちょうどいい枝を見つけ、それを持ってまた歩く。呑気に鼻歌を歌いながら、枝で地面をがりがりしながら、誰かにつけられながら、ひたすら歩いた。
ふと後ろに動きがあった。つけていたはいいものの、歩いてばかりで全く動きのない私に痺れを切らしたのか、聞き覚えのない男の声が私の歩く足を止めた。振り返ると、多少見覚えがあるかもしれない小太りの男が左手を出しながらプレートを寄越せと言った。片手にはナイフ。脅しのつもりだろう。嫌だって言ったら?と聞くと、なら悪いが力ずくで奪うと言った。悪いが、って、それはこっちの台詞。やめときなよ、と一応彼に説得紛いなことをしてみるも、予想通りそれは無駄な努力で終わった。決して速くないスピードでこちらに向かって来る男の首に、軽く手刀を落とす。ただの偏見に過ぎないが私ルールで、自分が"悪者"や"邪魔"だと思わない人間はプライベートで殺さないことにしているのだ。一般人から見て極悪非道なヒソカやフェイは、別だ。友達は、別。さっき言ったでしょ、ただの偏見だって。
手土産にさっきの男のプレートを持って再び歩く。彼は先に誰かからプレートを奪っていたようで、幸運なことに一気に二つも手に入れた。これは幸先よいぞ、と思っていたのもつかの間、目の前に結構見覚えのある二人が現れた。金髪と黒髪のお二人方。確かゴンやキルと一緒にいた人達だよなあ?名前は確か………

「……クラピカくんと…リオレオくん?」

「レオリオだ!姉弟揃ってそれやめろ!」

「…なまえさん、少し話があるんだが」

怒るレオリオくんの横で、呆れながらもクラピカくんが話を持ち出した。なあに?と首を傾げて見せると、彼は少し言いづらそうに、ゆっくり口を開いた。


「プレートを渡してくれないか?」




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