四次試験はある島でのサバイバル。みたいな。受験者のプレートを狩るようです。やっとハンターらしくなってきたのかな。サバイバルならよく父さんにさせられたからどうってことはないけど。…ただ、私の狩る人が問題なのです。

(……99番って…キル、だよなあ)

困った。これ以上ないくらいに、困った。あんなに楽しそうにしているキルに水を差すようなマネは、流石の私でもできない。できる訳がない。
はああと盛大な溜息をついて、空を見上げる。うろこ雲が遥か上空に浮いていて、届く筈もないのに手を伸ばす。ちっぽけな掌はだらんと地に臥した。

「何だか落ち込んでるねぇ」

声のする方を向くと、そこには奇術師のお兄さん。私の隣に座ってトランプタワーを立てはじめた。私も彼みたいな生き方をすれば楽になれるのかとふと考えたが、直ぐに打ち消す。私はまだ人でありたい。

「…ヒソカに心はある?」

「ん?…んー、あるんじゃない?」

「いや、ないね」

「……◆」

だったら聞くなよと念を込めたトランプを投げられる。それを指で受け止め上半身を起こし、先程くじで引いたカードに視線を落とした。…99じゃなくて実は66だったり、しないかなあ。
そんなありもしない事を夢見ながらカードをくるくる回していると、隣のヒソカがそれを覗き込んで「おや、その番号キミの弟クンのじゃないか」と言った。ヒソカこの野郎、絶対確信犯だ。顔のにやけが隠されてねーぞ!

「なんだい、殺す訳でもあるまいし。取ってやればいいじゃないか」

「…あのねー、心なき道化師にはこの心優しき姉の気持ちはわからないの」

ヒソカはそれは残念と再びトランプタワーを詰み始める。自分で積み上げたそれを自分で崩すのが快感だとか言ってたけど、相変わらず悪趣味だと思う。おっかしーなあ、昔はこんな子じゃなかった筈なのに。
ふと、奥の方でキルがこちらに向かって手招きしているのが見えた。こっちまで来ればいいのにと思ったけど、隣にヒソカがいることに気付き、彼に一言断ってキルの元に向かった。勿論引いたくじのカードを隠すのを忘れない。

「………なあに?」

「姉貴さ、ターゲットって何番だった?…あ、俺とゴンのターゲットは姉貴じゃないから安心してよ」

予想通りの返答に、視線を海へと向ける。…内緒って言ったら?と聞くと、キルはまさか俺達のどっちか?と聞き返した。…まあそうなるわな。

「……ふふ、違う違う。…301番だよ」

「…え!?姉貴の知り合いの!?」

「あの人結構強いよね。なまえさん気をつけて」

そう言うお前が気をつけろよな、とキルがゴンを肭いたのでどういうことか聞けば、なんとゴンのターゲットはヒソカらしい。なんとくじ運のない…。後で彼にゴンは殺さないようにって頼んでおくか。
その為にも彼等の元から離れ、ヒソカの方へと戻る。その後ろでキルアが私に疑いの眼差しを送っていたのは知る由もない。




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