二次試験は料理らしく。一品目の豚の丸焼きに必要な豚を探しに森へ出掛けた。キルを何とか説得して一人で行動させてもらうことに成功。正直もう帰っていい気がするけど、まだ彼等の成長を見ていたい気もする。
ぱちぱちと燃える豚を見る。内蔵とかいいのかな、丸焼きだもんね。どうでもいいか。じっと座っていると、ポカポカ暖かくなってきて欠伸をした。やばい、これ試験中だよね?ほのぼの過ぎだろ。あー、これ見てたら私もお腹空いてきた。私牛肉より豚肉派なんだよなー。昔そう言ったらイル兄に安い舌とか言われたんだっけ。でも豚肉のが食べやすいよね。もう一個焼こうかな。

「はい」

「!」

試験官用に焼いた豚を食べて、また後でもう一頭狩りにいこうとしたら、その考えが具現化したかのようにもう一つ、豚の丸焼きが現れた。イル兄のオプション付きで。どうやら伊達に兄妹はやっていなかったらしい。

「ありがとー、流石イル兄!そういえば昔からグッドタイミングでおやつとかくれたよね」

「お前の腹時計なら大体把握してるから」

それは嬉しいけど、その顔で言われてもなあ。
そう言うと思いっ切り頭を叩かれた。痛い。
食べ終わるまで私の事を待っていてくれる様なので、貰った豚を猛スピードで食べる。うん、よかった。焦げたやつをくれた訳ではないようだ。
食べ終わり、会場まで並んで走る。ちょっとゆっくりし過ぎたかな。

「…そういえば、お前キルと接触してたよね」

「え?あ、うん」

恐らくギタラクルの正体のことについて言っているのだろう。彼の事は知り合いだと伝えたと言うと、ふうんと生返事が返ってきた。
そういえばキル、家出したんだったなあ。友達もできたみたいなのに、試験終わったら連れ戻されちゃうのかな。…可哀相だけど、母さんと兄を刺したのは頂けん。

「試験終了ー!」

私たちはギリギリの最後だった。危ない危ない。ついでに無事キルやゴン達も通過できたようだ。当たり前か。にしてもブハラさんの胃袋ハンパない。
そして困ったことが起きた。二次試験後半のメニューは"スシ"というものらしく。いや、私食べるの好きだけどグルメではないんだよね。正直腹が膨れれば何でもいいんタイプだったりする。そんな訳で、特に料理について詳しくはないのだ。私自身、スシはジャポン発の民族料理だということしか知らない。あ、あと魚を使うみたい。
…ん、待てよ、ジャポン……

「ハンゾー、知ってんでしょ」

「はっ!?」

知らない知らないと言うが、その裏返った声と引き攣った顔が何よりの証拠。
しかし無理矢理聞き出して作るも、彼が自分でスシの作り方をばらしてしまい、この試験は無効になってしまった。ハンゾーこの野郎。

「ネテロさんはんぱねー」

「知ってんのか?」

「んーん、名前だけ」

偉大なハンター協会会長さんの助言により二次試験はもう一度やり直しに。クモワシの茹卵美味しかったです。




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