「…ねえ、僕はこれからどうなるのかなあ。もしかして殺される?それとも拷問?やだなあ、僕痛いの嫌いなんだよね。僕の未来は僕を米俵みたいに肩に乗せてがっちりと掴んでるその腕を離してくれることで安泰の行路を辿るんだ。…と、いうことで逃がして……」

「やらねーよ!さっきから黙ってりゃペチャクチャと…!口閉じれねーのか!」

僕がこうして必死に助けを請うているのに、あの日の眉なしお兄さんは全く聞き入れてくれない。そこのつり目のお姉さん助けてと視線を送ったら見事に逸らされた。うわーショック!
わざと大きめの溜息をつくと、全部聞こえてんだよと肭かれた。あれ、おかしいなあ。

「あと!俺は眉なしお兄さんじゃねえ!」

「え?じゃあエジプトガイ?今更だけどその恰好イカスね。僕には到底真似できないよ」

「あ?なかなかわかるじゃねえか。…じゃなくて、何がエジプトガイだ!フィンクスだ、フィンクス!」

そう言って眉なし…基フィンクスはもう一度僕を肭いた。結構痛いからやめてほしいんだけどな…。フィンクスだからスフィンクスの恰好ね、ふうん。…それより、

「いいの?名前教えて。僕の中のルールで名前を教え合ったら友達って決めてるんだけど。僕なんかと友達になっていいの?」

「てめえが黙ってくれたら友達にでもなんでもなってやるよ」

フィンクスは着いた着いたと言って、ある廃ビルを潜る。あーあ、着いちゃったのかあ。僕の人生これで終わりかな?悲しみの目で今度は眼鏡っ子のお姉さんに視線を送ったら、私シズクと自己紹介された。…いや、女の子と友達になれるのはとても嬉しいんだけどさ。ちがくね?

「団長、連れて来たぜ」

「ご苦労だった」

団長と呼ばれた人物は生憎反対側にいて見えない。恐そうな人じゃなきゃいいなー。…あれ?にしても、この人の声聞いたことがあるのは気のせいかな。

「ほらよ」

「んぎゃ」

いきなり落とすなんて酷いじゃないかと文句を言うと、ふんと鼻で笑われた。ここは誰が泣いても許されると思う。

「……なまえ、昼ぶりだな」

「え?」

あ、スーツのお姉さん乳でけえ。…じゃなくて、目の前には黒髪でオールバックの、黒いコートのファーがお似合いな、お兄さん。
……ん、あれ、昼って、もしかして、

「…………クロロ?」

僕がそう呟くと彼は口元を吊り上げて、ああと肯定した。…クソピエロ、今度会ったら覚えてろ。


こんばんは、二度めまして。


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