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LOVEシリーズ設定です





「…………どうして」

 悔しげに顔を歪ませアポロ様は呟いた。その様子を見てわたしはにんまりと口角をつり上げる。

「どうして? それはアポロ様自身が一番わかってるんじゃないですかぁー?」

 わざと挑発するようにそういうと、くっと小さく唸って鋭い目でわたしを睨み付けてきた。でもわたしは物怖じすることなく笑う。

「アポロ様が悪いんです。以前わたしの恋人を奪ったから」
「……その復讐、ということですか」

 アポロ様の大切な恋人を腕の中に納めながらわたしは彼に話しかける。いつもならこんな会話なんかできない。でも今日は引かない、引くわけにはいかないんだ。今は亡きあの子のためにも。

「たしかにわたしは以前お前の恋人を奪いました。しかし今では関係のないことでしょう」
「関係無くなんてない!」

 わたしは力の限り叫んだ。よくもぬけぬけとそんなことが言えるものだ。今の一言で少しアポロ様が嫌いになってしまったかも。
 以前アポロ様に恋人をとられた日にわたしは自分の無力さを呪った。
 あとから来てのうのうとわたしの恋人を横取りしていった彼に、とんでもない憎しみを覚えた。
 そして誓った。復讐してやろうと。わたしと同じ悲しみを味わえばいい。

「あはは! どうですかアポロ様。以前自分がしたことをやられて、しかもアポロ様の恋人が目の前で奪われていくのは!」
「……っ! 最悪ですよ!」
「あのとき貴方言いましたよね? 《本当に大切ならしっかり守っておけばいいのです。それを怠ったお前にとやかく言われる筋合いはありませんよ》って。その言葉そっくりそのままお返しいたしますよ!」

 彼の恋人をぺろりと嘗めながらわたしは彼に目をやる。この子は柔らかくて甘い甘い。きっと彼に盗られたあの子もこんな味だったんだろうな……

「やめなさい! それを手にいれるまでにどれ程の時間と労力を費やしたと……!」

 舌で堪能しているとヒステリックに彼が叫んだ。でもわたしは止めない。もうこの子はわたしの物。人のものを盗ったらどうなるかよく覚えられますね! 

「アポロ様が手を出す隙などありません。あの子の復讐を果たさせて頂きます!」
「くっ……」 

「お前らさあ」

 さっきまでただ見ていただけのラムダ様が突然口を開く。いがみ合っていたわたしとアポロ様は互いにラムダ様に目をやる。ラムダ様は心の底から馬鹿にした表情でこう言った。

「たかがプリンでそこまでしなくても……」



第二次プリン戦争

「たかがじゃないです!」
「恋人は幻とも言われるプリン様ですよ!」
「もう好きにしてくれ」

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商品名『恋人』
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