熱帯夜

茜はいつも寝る前に、ジンのベッドを占領している。

当然今日もジンのベッドに寝転がり、本を読んでいた。
そこへ風呂上がりのジンがやってくる。

「えへへ〜。お借りしてまーす」

と笑顔で手を振る。

「……おい、何故いつもいる」

お決まりの質問。

「だって、寝心地いいんだもん」

これお決まりの回答。

いつもなら"どけ"だの"邪魔だ"とか言われてベッドを追われるのだが、今日はそれがない。
茜が寝転がっていた体勢から、ベッドに座る体勢に変えると、ジンも隣に座る。

二人分の重さで、ベッドがギシリと軋んだ。

「何を読んでいる」

「バトロワ」

本に集中する茜だったが、ジンが横から覗き込んでくるのが分かった。

シャンプーだろうか、何かいい匂いがする。

ふと、肩に手の感触と体温を感じた。茜はパジャマの代わりに、タンクトップとショートパンツを愛用していた。
必然的に露出度が高くなる。

次に耳元に吐息を感じ、背筋がゾクッとした。

位置的に仕方ないことだと思っていた。

「ちょ、やめてよ……」

「何がだ」

しかし、どうやらジンはわざとやっているようだ。
今度は、耳を甘噛みされる。

確信犯だ。

うなじから首筋にかけて、ツーっと舌が這う。

本に集中しようとすればするほど、"妨害"はエスカレートしていき、身体に熱が燻り始める。

「ジン…さ、ん…やだ…ぁ…」

ジンは本を取り上げると、深く口づける。
角度を変え、舌を絡め執拗に責めた。

唇を離すと、透明の糸が互いを繋いだ。

「……っジンさん?……ど…した、の?」

未だに、ジンの行動の真意が掴めない茜は戸惑う。

ジンは茜の身体を、優しく愛撫しながら答える。

「……そろそろ限界だ」

そう言って、茜のタンクトップを剥ぎ取った。

その後、ジンの熱い想いを何度も身体に注がれ、その愛に溺れるのであった。



おわり


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bkm

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