ウォッカからの連絡で茜を迎えにきたジン。
「…ウォッカ、何故お前と茜が一緒にいる」
ちらりと彼女を見ると、カウンターに突っ伏して眠っていた。
それならまだしも、眠る彼女に掛けられたウォッカの上着。それを見たジンの眉間に皺が寄る。
「あ、いやぁ……。いろいろありやして……」
ジンの眼光にしどろもどろになるウォッカ。冷や汗が止まらない。
「こ、こいつにも乙女心があるみたいですぜ?」
「あぁ?」
「すいやせん。兄貴。俺これから別件がありやして……茜のこと頼みます」
お互い両思いのくせして、ズルズル今の関係を引きずっている。くっつくなら、さっさとくっついてほしい。と内心思うウォッカであった。
ウォッカは自分の上着を茜から取り、羽織ると会計を済ませて店を後にする。
残されたジンはため息をついて、眠る彼女を自分のコートに包み横抱きする。
「ん……ジン、さ…ん……すき……」
不意にこぼれる告白。
「……馬鹿が。
今言うんじゃねぇよ」
腕の中で眠る彼女の額に、唇を落とすジンであった。
おわり
bkm