どうやらわたしは監禁?いや、家の中は自由に動けるからこれは軟禁だ。
軟禁されたらしい。
「今日からお前は、籠の中の鳥だ」
ある日、突然そう告げられた。
普通なら絶望するところだろう。でも、わたしは違った。
「つまり、外に出るなってこと?」
「あぁ」
「てことは、仕事行かなくていいの?」
ジンさんが一瞬、眉を顰めたが短く、あぁと答えた。
「じゃあさ、じゃあさ、ご飯もジンさんが持ってきてくれるの?」
「……チッ」
舌打ちしたけど、無言てことは肯定よね!
てことは、念願のニート生活!!
「何その至れり尽くせりは!じゃあ、わたしずっとここにいる!!」
それから、始まった軟禁生活。
でも、この家なんもない。暇。これは脱走したくなる。
でも、脱走するとジンさんからのお仕置きが怖い。
そうだ。
ジンさんは、わたしをここに繋ぎとめておきたい。
わたしは、ニート生活をエンジョイしたい。
お互いの利害が一致。
よし!
わたしはメモ用紙に要望を書いた。
その日、ジンさんが夜遅く帰ってくる。
「ジンさんおかえりー」
「まだ起きてたのか」
「うん。ジンさんにお願いがあって」
「外には出さねぇからな」
ジンさんは、コートをハンガーに掛けてクローゼットへとしまう。
「その事なんだけどね。わたしが脱走を試みない方法を考えた結果、これらが必要です!」
ジンさんにさっきのメモ用紙を渡す。
「何だこれは」
「わたしをここに繋ぎとめておく、唯一の方法」
その内容は、テレビ。ゲーム機。ゲームソフト(RPG、アクション系)。女児向けアニメのシリーズDVD全巻。仮面ヤイバーのDVD全巻(劇場版も含む )。ジグソーパズル1000ピースor2000ピース(絵のあるやつ)。以上!
ジンさんはその紙を見た瞬間に、ぐしゃっと握りつぶした。
「あーー!!なんで!?」
「テメェふざけてるのか?」
「ふざけてないよ!至って大真面目!暇すぎて逃げ出したい」
わたしは、基本インドアなので、暇つぶしさえあればずっと家の中にいられる。
それに、ジンさんの手料理を食べられる。そうすると、わたしが脱走する理由が無くなる。
「……チッ」
「あとね、」
「まだあるのか」
ちょっと恥ずかしいけど、これも伝えておかなくては。
わたしの体がもたない。
「あのね、その、
えっちする時は、もうちょい優しくしてもらいたいなぁ……って。
乱暴なえっち反対!大好きなジンさんと繋がるのは大歓迎だけど、乱暴なのは嫌。ね、お願い。優しくして?」
「……いいぜ?この紙切れの件は後日だが、こっちは忘れねぇうちに試してやるよ」
「え!?……ぅわっ」
ジンさんは、ひょいっとわたしをお姫様抱っこして寝室へ。
わたしの要望通り……それ以上に優しく蕩けてしまうぐらいに愛された。
-
bkm