また、やってしまった……。
届いた本を一通り読んで、わたしは項垂れた。
違うんだ……わたしの求めていた内容と違う……。
「はぁ……」
「どうしたんだ?」
深いため息をついたら、赤井さんに声をかけられた。
どうする?訳を話す?……赤井さんも男だから分かってくれるかな?
分かってくれるよね!?
よし、一か八か聞いてみよう!
「赤井しゃん……エロ漫画いります?」
「必要ない」
即答!いや、いるって言われてもちょっと困るけどさ!
「ですよね!
あぁ、どうしよう……。タイトルと表紙絵で買ったけど、思ってた内容と違うんだよねぇ……これで10冊目だぞ」
「多いな」
そう。わたしは成人向けコミックをたびたび買うのだが、まぁことごとく失敗する。
「今のところ、2勝7敗1引き分けってところです」
「引き分けはなんだ」
「思ってた内容と違うけど、悪くないってやつ?」
「なるほどな。
というか、惨敗してるじゃないか」
「そうなんですよ!
あーどうしよう……キャメルさんとかいるかな?」
「やめてやれ」
こういうのは、買うのはいいけど後が困る。
売りに行くのは、とっても恥ずかしい!
「ジンにあげればいいだろ」
「それはダメ!というか、ジンさんにバレたらナニをされるか分からん!
ジンさん、ぜっったい48の必殺技マスターしてそうだもん」
そうだ、これはジンさんにバレてはいけない案件!
と思ってたんだけど、こういう時に限ってタイミングよく登場するのがジンという男だ。
「俺が、何だ?」
「ジ、ジジジンさん……!?あ、いや、そのぉ………エロ漫画いります?」
「…………」
カチャ、と銃口を向けられた。
「ちょ、ちょちょちょ!?無言でベレッタ向けないで!!」
「テメェの頭を、一回風通し良くしてやる」
「それ、永遠に目覚めないやーつ!」
「来世で賢くなれ」
まさかの、来世!?
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bkm