ジンさんが脅してくれたお蔭でやって来れました工藤邸!
こうしてみると本当に大きい家だなぁ。
「ほぇー……」
「そんなに口開けてると、キスして舌を捩じ込むぞ」
「ばっ…かじゃないの!?」
なんてことを言い出すんだこいつは。
コナンくんがいるというのに。
テンパるわたしを他所に、ジンさんはくつくつと笑ってる。
そんなわたし達の光景を見て、コナンくんは困惑している様子。
まぁ、そりゃそうよね。
こんなジンさん見たことないよね。
「て、そんなことより、沖矢さん!
会いたい!
ピンポン押していい?いいよね?
答えは聞いてない! 」
「え?!あ、ちょっ、お姉さん!?」
コナンくんがわたしの行動に驚いて、ジンさんは馬鹿かって呟いたのが聞こえた。
何と言われようとも構わない。わたしは沖矢昴を見たいのだ!
-ピンポーン
押してしまった…
「え?どうしよう。押しちゃった…え、え、ぇ
ジンさん!どうしよう!」
「テメェでやったんだろうが」
ジンさんに助けを求めるが、まぁ自業自得だから知らん顔よね。
なんてワタワタしていると、
『はい、どちら様でしょうか』
インターホンから沖矢さんの声が!
でもわたしは咄嗟にコナンくんを抱き上げていた。
コナンくんお願い。
「え!?ちょっと!
あ、えぇと、ボクだけど
昴さんに会いたいって人がいて……
その、ボクもよく事情が分からなくて……昴さんにも説明したいらしくて、だから上げてもいいかな?」
『…………分かりました。
どうぞ上がってください』
まじか!
自分で言うのもアレだけど、わたし達めっちゃ怪しいよ?ジンさんもいるし、え?それでいいの沖矢さん、というか赤井さん。
でもまぁ、
「ありがとう!!コナンくん!!」
「わぁっ!?お、お姉さん…
く、くるし…けど胸が」
コナンくんをぎゅうぎゅうと抱き締めた。
「おい、離れろエロガキ」
そう言ってジンさんは、わたしとコナンくんを引き離した。
エロガキて…
「もー。ジンさんたらー。
そんなとこも好き!いっぱいちゅき!!」
わたしはやっぱりジンさんに抱きつく。
ジンさんもわたしの頭を撫で撫でしてくれた。
「ねぇ、いちゃついてるところ悪いんだけどさ、入らないの?」
コナンくんが呆れたように、わたしを見る。
そして、門を開けていた。
「え、え?本当に入っていいの?
え!?どうしよう、緊張してきた……これで赤井さんだったらわたし怒るよ?おこだよ?いや、赤井さんも好きだけどさー」
「くどい。
まだ玄関にも着いてねぇんだ。さっさと行くぞ」
痺れを切らしたジンさんがわたしをお姫様抱っこした。
「わぁぁああ!ジ、ジンさんちょっと!!」
「うるせぇ。耳元で喚くな」
なんだろ、コナンくんからの視線が痛い。
なんて玄関先でグダグダしてたら、玄関のドアが開いた。
「来ないと思ったら、こんなところで何をしてるんですか」
沖矢さんが玄関を開けて迎えてくれました。
「ごめんなさい。昴さん」
「マジの沖矢さんだ…かっこいい」
相変わらず心の声が漏れてしまうわたし。
そして、ジンさんを見つけた瞬間に開眼しました。
「ぐはっ!…ヤバいわたし死んじゃう。やめて沖矢さんわたし悶え死んじゃう」
抱えられたままだけど、お構い無しにジンさんをぎゅうぎゅうとして、悶える。
「テメェは一回落ち着け」
ジンさんはわたしを地面に降ろした。
「無理、落ち着けない。
沖矢さんの開眼マジ好き!」
ジンさんの腕を掴みぶんぶんと振り回す。
「……チッ」
「あの、お連れの方は大丈夫ですか?」
「……気にするな。こいつのこれは何時ものことだ」
何時もなのかよ…とコナンくんがわたしに冷めた目線を送ってきた。
悪いかよ!
いつもはジンさんでフィーバーしてるが、今回は沖矢さんでフィーバーしてるだけなんだよ!
「まぁ、立ち話もあれですので、上がってください。
ちゃんと説明していただけるんですよね?」
「もつろん!」
やべー、大事なところでかんだ……。
ちょっと凹んでると、沖矢さんが笑った。
「ふ、随分と愉快なお嬢さんだ」
「あ、ありがとう、ございます?」
「お姉さん、たぶんだけど褒められてないよ?」
コナンくんがわたしの服を遠慮がちに引っ張る。
「やっぱり?
でもいいんだ。沖矢さんだから」
「私だから、ですか……」
小首を傾げる沖矢さん。
ちょっとかわいい。
「はい。イケメンはだいたい許されます!!」
胸を張って答えたら、ジンさんが頭を抱えた。
ねくすとちゃぷたー→
bkm