必ず戻る。待ってろ。
そう言い残してジンは茜の前から、姿を消した。
それからどれくらい時が経っただろう。
茜は1人寂しく暮らしていた。
そんな彼女を心配してコナンや安室、かつてジンと共に3人で暮らしていた仲の赤井が訪ねてくることがあった。
コナンは話し相手。安室は美味しい料理を振る舞い、赤井とは酒を酌み交わす。
それでもやっぱりジンが恋しいと思ってしまう。
そんなある日のこと。
その日は偶然にも、コナン、安室、赤井が揃って訪ねてきて、4人で食卓を囲った。
けれど、楽しい時間はあっという間で、安室と赤井は仕事があるそうで帰ってしまった。
少し寂しそうな茜を気遣ってかコナンは泊まると申し出たが、茜は首を横に振る。
「大丈夫だよ。コナンくん、ありがとう」
「茜さん……」
それから2人で少し話してからコナンは名残惜しそうに帰っていった。
その日の夜。
なかなか寝付けずにいた茜は、水を飲みにキッチンへと向かおうとした。
しかし今夜は新月なのか明かりがなく、闇が広がっていた。
しんと静まり帰った部屋は寂しく少し怖い。
電気のスイッチを探していると、玄関の方から何か物音がした。
恐怖心はあるものの、好奇心が勝り茜は勇気を出して音のした場所へと向かったのだった。
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bkm