それから、光彦くんの携帯で電話をかけて助けを呼ぼうとしたけど、失敗に終わる。
うん。知ってた。
で、とりあえず、みんなの持ってる物で何とかならないか作戦会議。
うん。見たことあるわここ。
それで、わたしの持ち物も出すんだけどさ。
「茜さんの持ち物は……ホットケーキの材料と財布……とタバコ」
「ずいぶんと男っぽい財布を持ってるのね」
「え?あ、あぁ。恋人のやつだからね。ホットケーキの材料買うついでにタバコも頼まれたの」
「そう」
ジンさんの存在を哀ちゃんに知られるわけにはいかない。
いや、いつかは教えたいけどね。
「んじゃ灰原…オメーは何か持ってねーのか?」
「え?」
「あぁ、そっか!
オメーはパン一だった…」
-ポカッ
コナンくんが哀ちゃんに叩かれた。
「今のはコナンくんが悪い」
全く、そういうところだぞ!
今あるものは、歩美ちゃんのハンカチとポケットティッシュと飴と綿棒。
それから元太くんの絆創膏とお菓子と、しもやけのかゆみ止め。
後、光彦くんの手帳とボールペンとハンカチと財布と、タクシーのレシート。
「さぁ、コナンくんどうする?」
コナンくんを見ると、じっとたいちゃんを見てる。
そして…
「あいつらに見られても気づかれねぇ暗号を作ってやっから…」
はい、きました!
コナンくんのひらめき。
あれよあれよとコナンくんは暗号を作る。
もちろん安室さん向けの。
「いいか、大尉!
オレ達の命運はオメーに懸かってんだ…。
この任務をしっかり遂行するんだぞ?」
コナンくんの言葉が分かったのか、たいちゃんはニャと鳴いて扉が開いた瞬間に飛び出していった。
たいちゃん任せたよ!
「それにしても、コープスって死体って意味だったんだ…」
「茜さん知らなかったの?」
「わたしの学力なめないでくれる?英語は中学で止まってるんだから!てか、中学のすらついていけない」
「ハハハ……それでよくあいつの恋人になれたな」
「え?ひどくない?ちょっと馬鹿なくらいがいいんだよ!たぶん」
わたしも、何でジンさんが恋人になってくれたのか、良く分かってない。
それでも、ジンさんはわたしに優しくしてくれる。いや、ベレッタ向けられる事もあるけど、発砲された事もあるけど、さ。
基本は甘やかしてくれるんだもん。
今日だって、ホットケーキ作ってくれるし。
あぁ、ジンさんの事考えてたら、会いたい衝動に駆られる。
早く、ジンさんのホットケーキ食べたいな。
ねくすとちゃぷたー→
bkm