-- 一方、RX-7 車内
-クシュン…
「風邪ですか?」
「違うわ。ただ悪寒がしただけよ」
バーボンとベルモットがそんな会話をしていると、ベルモットの携帯がなった。
ディスプレイにはGinの文字。
「…あなたから電話なんて珍しいわね」
『もしもし?!ベル様!?わぁ!ジンさんベル様だよ!!』
『お前は馬鹿か』
『お姉さん、本当に落ち着いて!』
しかし相手はジンではなかった。
そして、電話の向こう側が騒がしい。
「ベルモット、スピーカーにしてください」
言われたようにベルモットはスピーカーに切り替えた。
『ベル様、ベル様!』
能天気なその声にバーボン…安室は頭を抱えたくなる。
「あなたは確か……」
『茜です!』
「そう。それで私に何の用かしら?」
「それを聞くのはやめておいたほうが…」
「?」
『ベル様、あのね』
『お姉さん、早まらないで!』
『目先の事に囚われるなよ』
コナンと沖矢が制止するが……。
『ベル様のおっぱいパフパフしたい!』
無駄だった。
「は?」
「この人は……。
あなたはあれだけ絞られたにも関わらず、まだ懲りてないんですか?」
『その声は安室さん!?
はっ、わたしはまだ安室さんのお尻を諦めた訳じゃないからね!絶対にそのお尻を撫で回してやるんだからーー!
でも、その前にベル様の乳を……っぐ』
不自然に途切れる。その理由はすぐにわかった。
『テメェいい加減にしろよ』
『ジンさんの鉄拳制裁…マジヤベーイ。
いたい…。ジンさんだってベル様のおっぱいパフパフしたくせに!!ズルいぞ!』
-ゴツッ
電話越しでも分かる鈍い音。
『二度もぶったね!親父にも殴られたことないのに!……はい、ごめんなさいごめんなさい!すみません!!だから、ベレッタはしまってください!』
やりたい放題やっていた彼女に、ついにジンの雷が落ちた。
「一体何なの?」
ベルモットはそのまま通話を終了した。
「僕にも分かりません」
「あなたにも分からないなんて、彼女強敵ね」
「かもしれませんね」
おわり