すっかり爆睡してしまったわたしは、ジンさんに揺すり起こされた。
「おい、起きろ。
……起きねぇなら、どうなるか分かってるだろうな」
「お、起きた!起きました!」
なんかデジャブ……。
なんて思ってたら、普通に唇にちゅーされた。
「ふん。お目覚めのキスだ」
ドヤ顔で言わないでよね。
心臓に悪い…。
「てっきり朝帰りかと思ったんだがな」
工藤邸へ帰ると赤井さんがいました。
え?沖矢さんじゃないの?
「あ、朝帰り……い、いやぁ、ね。ははは」
「ハッ、こいつに夜明けのコーヒーはまだ早いからな」
ぽんと頭の上に手を置かれ、親指で撫で撫でしてくれる。
ヤバい萌える…。
「早いこともないけど、心の準備というものが…いや、心の準備の前置きをしないとだね…」
「前置きぐらいは出来ているんじゃないか?」
赤井さんは自分の鎖骨辺りをトントンと指差した。
ん?…鎖骨……
あ。
そ う だ っ た 。
ジンさんに痕を付けられたんだった。
てか、そんなに見えやすい位置に付けたのか!
「い、いや、これはー…その…」
痕を付けられた時の事を思い出したら、濃厚なちゅーをしたことも同時に思い出して、ほっぺたが熱くなる。
「お熱いことだな」
赤井さんが肩を竦め、キッチンの方へと向かった。
「あ、赤井さん」
「夕飯、食べるだろ?」
「え?あ、うん。食べる!食べます!ほら、ジンさん行くよ!」
「分かったから引っ張るんじゃねぇ」
ジンさんの腕を引いて、赤井さんのあとについて行く。
赤井さんの手料理で3人でディナータイム!
赤井さんの料理、ほんとにおいしかったです。
----
食後にリビングでお茶を飲みながら寛いでいると、赤井さんがわたしを見つめてきた。
やだ、イケメン……。
あ、ジンさんお風呂行ってます。
「ジンとのドライブは楽しかったか?」
「そりゃもう満喫しましたよ!
ジンさんの運転する姿を」
「そっちか」
「だって、あとはジンさんの家でちゅーしたことしか思い出せんもん。
でも、ジンさんの運転はすっごくかいて、き……」
……ヤベェ、車の運転が上手い人は、あっちの方も上手いとかなんとかって誰かが言ってた気がする。
てことはよ?ジンさんもだけど、赤井さんや、安室さんもテクニシャンてことになるよね!?
え?え、えー。
いや、そんな感じはするけどさ!むしろそれで下手だったら詐欺だからね!
いや、その前にわたしには上手いとか下手とか分からないけども!
「でも、安室さんはああ見えて激しいと思う!」
「安室君はスイッチが入ると荒くなるからな。
だからといってベッドの中でもそうとは限らん」
「そうなのかな?いや、それでも、ってなんでわたしの心の声が分かったの!?」
「全部声に出ていたぞ」
「マジか!
無の境地を拓かなくては…」
「ハ、お前には一生無理だな」
お風呂上がりの ジンが あらわれた!
お風呂上がりのジンさん…ヤベェ見たい!超見たい!けど、今見たら卒倒する自信がある。でも見たい!
よぉし、茜。ここは心火を燃やして、覚悟を決めて、3,2,1…
「テメェは馬鹿か」
わたしが振り向くより先に、ジンさんがわたしの視界に入ってきた。
「ジ、ジジ、ジンさん……!」
お風呂上がりのジンさんは髪を結い上げていて、首筋やら項やら、もう全てから色気が溢れ出している。
「心の声が駄々漏れなんだよ」
「そ、そういうジンさんは色気が駄々漏れだからね!
悩殺する気ですか?このやろー!」
と赤井さんを見て言う。
「何故、俺を見て言うんだ」
「ジンさんを直視出来ないからです!でも、見たい!とてつもなく見たいんだよ!でも、悶え死にそうなんだもん」
「つべこべうるせぇ」
ジンさんにほっぺたを引っ張られた。
「ふぁい、しゅみましぇん」
必然的に色気垂れ流し状態のジンさんを直視してしまう。
その後、わたしが鼻血を出したのは言うまでもない話。
ねくすとちゃぷたー→
bkm