ドライブデートをしてたら、ジンさんのセーフハウスという名のお屋敷に連れてこられた。
「ジンさんの家……てことは、エロ本もあったり?」
「馬鹿か。
あるわけねぇだろ。そんなもん。必要もねぇ」
「そうだよねー。ジンさんならすぐに調達できそうだもんねー」
なんて自分で言っておきながら、ちょっと凹む。
そりゃジンさん、本人は自覚してないけどモテモテだし。
しかもベル様とも寝たんだよね……。
はぁ……。
「おい、何を拗ねている」
「す、拗ねてない!ばか!」
ジンさんに図星を突かれて、わたしはその場から逃げた。
何やってんだろ。
自業自得なのに…。
どっか適当な部屋に入ったら、窓から海が見えた。
海はあんなに綺麗なのに……はぁ、ダメだなぁ…わたし。
このどろどろとモヤモヤする気持ち、
「……可愛くないな……」
そう呟いた途端に、後ろから衝撃と暖かさを感じる。
ジンさんがわたしを抱きしめてくれた。
「ジ、ジンさん…っ!」
びっくりしてジンさんを見上げると、唇を塞がれた。
え?ちゅー、されてるんだけど。
でも……
あぁ、やっぱりジンさん好きだなぁ。
さっきまでの、どろどろとモヤモヤした気持ちが全て吹っ飛んだ。
ジンさんのキスって、魔法みたいだ。
優しく触れて、啄んで、何度もキスをする。
甘く痺れるようなキスにうっとりしていると、僅かに開いた唇の隙間から舌を入れられた。
え?ちょ、こんな深いの初めてなんですけど!!
戸惑って舌を引っ込めようとするも、ジンさんの舌によって絡め取られてしまう。
「んっ…ぅ」
自分でも聞いたこと無いような甘い声が漏れてしまい、ほっぺたが熱くなる。
抵抗しようにも、その手を取られて指を絡められ、窓に縫い付けられてしまった。
あ、ヤバいくらくらする。
これが酸欠なのか、ジンさんに酔っているのか。
たぶん両方だ。
立っているのもつらくなって、でもジンさんはキスを止めてくれない。
何度も角度を変えて、優しく激しく甘いキスをされる。
そのままずるずると、床に崩れ落ち座り込んでもジンさんは止めようとしない。
「んっ…ぅ…は、」
隙を見て息継ぎするけど、もう苦しい……。
まだまだこの甘いキスに溺れていたいけど、もういろいろと限界だ。
「ジ、ジン…さ、ん……」
何とかキスの合間で彼の名前を紡ぐと、下唇を食むようなキスをして唇を離された。
離される時に、いつもよりも水っぽいリップ音が静かな部屋に響いたように聞こえ、その音が妙に生々しくて、顔に熱が集まるのが分かった。
そしたらジンさんが
「……可愛いじゃねぇか」
って、ほっぺにちゅーしてきた。
わたしの心臓は爆発寸前です。
ねくすとちゃぷたー→
bkm