「ということで、わたしは沖矢さんの妹になるよ」
「馬鹿か」
野暮用から戻ってきたジンさんと合流しました。
ジンさんはコーヒーだけ注文。
え?大丈夫?お腹空かない?
「昴お兄ちゃんっていいと思うけどなー。
まぁでも、わたし沖矢さんの1つ上なんだけどね」
って言ったら何か空気が止まったんだけど。
え?なに?
「えーと、失礼ですがつまり28歳ということですか?」
「そうだよー。安室さんの1つ下とも言う。
ていうか、何でジンさんも固まってるの?」
「ジン、まさか貴方も知らなかったのですか?」
え?ジンさん知らなかったの!?
てか、そんなマジかよ…みたいな目でわたしを見ないでー!
てか、逆に幾つだと思ってたのよ。
聞くの怖いから聞かないけどさ。
「お前のような奴が28なんざ、世も末だな」
「失礼な!
てか、沖矢さんみたいな27歳もいてたまるか!
そして、赤井さんよりは年下だぞ!」
ぱくっと、パフェのアイスを食べたら歯にしみた。
あぁ、これだから知覚過敏は嫌なんだよ。
何か癪だからジンさんに仕返ししてやる。
「ジンさんジンさん」
「何だ…っ!」
不意打ちで、ジンさんにパフェを食べさせることに成功した。
イチゴと生クリームの部分を口に突っ込んでやったぜ!
やったね!ジンさんのびっくりした顔はレアもんだよ。
赤井さんに頬骨抉られた時ぐらいに、目を見開いてびっくりするジンさんにも萌えちゃう。
でもすぐに眉間に皺が…。
そして、眼光が鋭くなってるよ。
「テメェ…いい度胸してるじゃねぇか」
「はい!すみませんでした!」
秒で謝るわたし。
いや、だって、怖いじゃん。
「そういえば、ジンに聞きたいことがあったのではないですか?」
沖矢さんの助け船!!
それで思い出した。
「そうだった!
ね、ね、ジンさんのアドレスとか、電話番号教えて!
さっきね、沖矢さんにスマホもらったから」
「あぁ?…貸せ」
ジンさんはわたしからスマホを奪い取ると、慣れた手つきで操作している。
一瞬、舌打ちしたのが聞こえたような気がしたけど気のせいだよね?
え?沖矢さんの連絡先が自分より先に登録してあったことにヤキモチ?
なにそれかわいい!
そして何だろう。スマホをいじるジンさんに色気を感じてしまうのは末期かもしれない。
なんて見惚れていると、登録が完了したようで、ほらよと言って放り投げてきた。
いや、投げないでよ!
でも、まぁ、
「ありがとう。
あ、ラインやろうよー。
この3人でグループ作ってさ。宿敵(こいびと)with恋人ってグループ名で」
「くだらん」
「却下します」
ですよねー。うん。知ってたよ。
でも、ラインはやってくれるらしい。
ひゃっほー!
いつか実現させてやる!
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bkm