お昼になると、沖矢さんが合流してランチにしようとしたところで、今度はジンさんが野暮用とかでどこかに行ってしまった。
てことは、、、
沖矢さんとランチ!!
「沖矢さん、お昼は何にします??」
「貴女の食べたいものでいいですよ?」
「まじか……うーん、どうしようかなぁ」
食べたいものと言われてもなぁ。
あんまり食に拘りはないしなぁ。
「車に荷物を置いて来ますので、それまでに決めといてくださいね」
そう言って沖矢さんは、わたしの荷物を持って車まで行ってしまった。
ジンさんも紳士だけど、沖矢さんも紳士だなぁ。
イケメンだし。赤井さんだし?
いや、でもジンさんが1番好きだもん!
どうしようかなぁ、と考えること数分。
「食べたいものは決まりましたか?」
沖矢さんが戻ってきた。
マジか。早くない??
「あ、えーと…パスタ、とか?あーでもオムライスも食べたいかも?」
「分かりました。
そこのレストランにしましょう」
沖矢さんとレストランに入れば、まだ混む前だったようですんなりと席へと案内された。
それから二人で食べたいものを注文して、料理が運ばれて来るのを待った。
「あぁ、そうだ。これを貴女に渡しておきます」
「……これは」
沖矢さんが渡してきたのは1台のスマートフォンだった。
「連絡が取れないと何かと不便だと思いまして」
まぁ、確かにわたしのもともとのスマートフォンは圏外になってて使えないけど、まさか沖矢さんからプレゼントされるとは思ってもなかった。
「え?じゃあ野暮用って、これを買いに行ってたってこと?」
「まぁ、そういうことです」
「え?本当にいいんですか?」
「貴女の為に買ったんですよ」
「沖矢さん……マジイケメン!ありがとうございます!」
スマホの中身を見てみると、沖矢さんの連絡先が登録されていた。
仕事が早すぎるだろ……。
でも登録された、沖矢昴の文字を見るとなんだかにやけてしまう。
赤井秀一でもいいんだぞ?
「……あ、ジンさんの連絡先も後で聞こう!」
あまりに嬉しすぎて忘れてたことが。
「沖矢さん、すごく嬉しいけど、お金どうしよう……」
「そんなこと、気にしなくていいですよ」
「いやいや!気にする!」
「気にしないでください」
気にしないでと言われても気にするもんは気にするよ!
「でもでも…」
「それとも、私がそんなに甲斐性無しに見えますか?」
「…そんなことない!」
赤井さんはFBIだからね!それなりにいい給料もらってるでしょ!
でも、それとこれとは別問題じゃない??
「では、甘えてください」
「……はい?」
甘えてください、だと?
「ジンには甘えられるのに、私には甘えられないんですか?」
何なに?
沖矢さん甘えられたいのか??
そんな寂しそうな目でわたしを見ないでー!
てか展開早すぎ……
でも嫌いじゃない。
もう、しょうがないなぁ。
甘やかしてくれるなら、とことん甘えちゃうからな!
「……じゃ、じゃあわたしが働けるようになったら、返しますので。それまではお言葉に甘えて…」
「ええ。甘えてください」
話が一段落したところで料理が運ばれてきた。
てなわけで、いただきます!
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bkm