翌日、わたしはジンさんの腕の中で目を覚ました。
ジンさんの銀髪は朝日に当たってキラキラしている。
う、美しすぎません?
これが噂の…
「美ジン……」
「何言ってんだ」
しまった。心の声が…。
「な、なんでもない。
それよりも、おはよう。ジンさん」
「あぁ…」
ジンさんと目が合うと自然と唇が重なり合っていた。
いわゆる、おはようのちゅー。
「あー、やっぱり夢じゃないんだね。
わたしちゃんとここにいる」
「当たり前だ。
もしお前が元の世界に戻ったとしても、俺が連れ戻しに行ってやる」
「うー……もう好きすぎる!ジンさん!!」
なんてイケメンなんだ。
ぎゅうぅぅっと抱きついた。
ジンさんも優しく頭をぽんぽんしてくれる。
「幸せすぎて死ねる……」
「まだ死なれちゃ困るぜ?」
悪戯っぽく笑うジンさん。
かなり萌える……。
という甘々な朝を迎えていたんだけど、、、
どうしてこうなった?
宿敵(こいびと)同士に挟まれる恋人の図…なんなのこれ?
事の発端はジンさんだった。
朝食のあと突然、「お前に必要なもんを買いに行く」とか言い出した。
それに何故か赤井さん……沖矢さんが車を出すと言って、3人でお出かけすることになった。
いや、なんで?
まぁ、たしかにジンさんのポルシェは今無いし、車があったほうが便利だけどさ、沖矢さんも一緒なんて、、、なんておいしい展開なのでしょう。
いやいや、そうじゃない。
あなたたち宿敵(こいびと)同士でしょ?
何で一緒に買い物に行くんだよ!仲良しか!
なんてグダグダ考えてたら、どうやら目的地に着いたようだ。
運転する沖矢さんはとってもイケメンでした。
ジンさんの運転する姿も見たいなぁ、って言ったらウォッカに車を届けさせるかとか言ってた。
そうするとウォッカさんどうやって帰るんだよ。
「……あれ?ここってさ」
沖矢さん、これは嫌がらせなのか?
着いた場所は米花百貨店。
「どうかしましたか?」
「ジンさんがやらかしたとこじゃん」
「あぁ?」
ついポロっと言ってしまったら、ジンさんにめっちゃ睨まれた。
「あぁ、馬鹿な狼共がみすみす獲物を狩り損ねたっていうちんけな話の」
ちょっと!沖矢さんお願いだからジンさんを煽らないで!
いや、火種を作ったのはわたしだけどさ!
ほら、ジンさんものすごい眼光で睨んで、今にもベレッタをぶっぱなしそうだよ??
「ジンさん、お願いだからベレッタをしまってください。
わたし、お買い物したいです」
「……チッ……さっさと行くぞ」
ジンさんはわたしの手を引いてお店へと入っていく。
そこに沖矢さんが並んで歩くものだから、奇妙な構図ができたのだ。
わたしは、無事に買い物できるのかな?
ねくすとちゃぷたー→
bkm