「あっぢぃぃ……」
大都会の夏なめてた……。
雪国育ちのわたしにとってこの暑さは、殺人級だ。
それでもって、クーラーが苦手なこのわたし。
扇風機で涼をとるけど、風がぬるい……。
「あ〜〜〜
あづい〜〜」
「大丈夫か?」
「赤井しゃーん……あついよー」
「言っていることと、やっていることが矛盾しているぞ」
わたしは赤井さんに抱きついた。
でも、やっぱり案の定暑い。
「あーージンさんに会いたいーー」
「じきに帰ってくるさ」
まぁタバコ買いに行ってるだけだもんね。
わたしは扇風機に貼り付いた。
そんなことをしていると、聞き慣れたエンジンの音が……。
「帰ってきた!」
わたしは脱兎の如く部屋を飛び出し、玄関へと急いだ。
「ジンさん!!おかえり!!」
「お前は犬か」
「ご主人さまおかえりワン」
「馬鹿か。
ほらよ、土産だ」
ジンさんはコンビニの袋からなんか投げてきた。
わたしはそれをキャッチする。
はっ!こ、これは
「パピ○!ありがとージンさん!
半分こして食べよ?」
「いらねぇ」
「えー。
じゃあ赤井さんと半分こする。赤井さーん!」
「待て、何故そうなる」
赤井さんのところへ行こうとするとジンさんに止められた。
「だって、そういうもんでしょ」
「はぁ?」
「パピ○はシェアして食べるんだよ」
「そうかよ。
後で食うから冷凍庫入れておけ」
「はいはーい」
美味しいものは、好きな人と分け合いたいもん!
その後、ジンさんはパピ○を咥えながら読書、わたしは相変わらず扇風機に貼り付いて○ピコを食べるという奇妙な光景を赤井さんは目撃するのであった。
おわり
bkm