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「……。」

ここは娯楽スペース。
本来なら遊んだり、休憩したりと和やかな空気が流れるところ。
実際今も練習を終えたメンバーがゆっくりしている。

そんななか私は隅のほうで体育座りをしていた。

「珍しいね、睦月がこんなに静かだなんて」

「昨日のシャッフルマッチが気にくわなかったらしい」

「あ〜拗ねてるんだね」

そんな子供みたいな言い方しないで下さいよ入江先輩。
まぁ、そうなんですけど…。

「睦月、大丈夫か?」

「徳川君…。大丈夫ですけど、心の整理がつかないんです。」

少し唸って膝に顔を埋める。
すると、徳川君は私の隣に座って頭を撫でてくれた。
その手の温かさが心地いい。

「気にするな。コーチたちは何か考えがあってしたことなんだから」

慰めになってるかは分からないですけど、徳川君の言葉にひどく安心した。
…それよりも徳川君。

「頭撫ですぎじゃありません?」

「!あぁ、悪い。なんか睦月見てるとわしゃわしゃしたくなるんだ。」

そう言ってなお頭を撫でてくる徳川君。
その顔はなんだか楽しそうで、止めてほしいとは言えなかった。
私は犬じゃありませんよ〜と心の中で呟いてみる。

「ハハハッ!睦月、犬みたいだね。お手してみる?」

キャー!魔王降臨しちゃったー!!!
入江先輩はとてもいい笑顔で私に近づいてくる。
その笑顔がとても怖いです。

「入江さん、睦月が怖がってます。」

「うん、その顔そそるよね♪」

庇ってくれた徳川君だけど、入江先輩には効かなかったようだ。

「入江先輩のドS!魔王!くっ来るなー!!」

「へぇ…僕にそんなこと言っていいと思ってんの?(ゴゴゴゴゴ」

「イヤーーーーー!!!」

娯楽スペースを逃げ回る私とそれを追いかけてくる入江先輩。
もう頭の中には悩んでいたものが欠片もなくて、これは彼らなりに慰めてくれたかなぁと後で思った。

それでも入江先輩は怖かったです…。



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