7-2
「鬼先輩!!」
「世羅か…何の用だ?」
白石君、千歳君と別れた私は鬼先輩を探して走り回った。
「ハァ…ハァ…あの…中学生と試合するって…」
「あぁ、名前は忘れたけどな。」
「いくら全国大会優勝したからって、早すぎですよ!!」
強いと言っても、まだ完璧に体が出来ていない中学生。
しかも桃城君は2年生だ。
正直負けるのは目に見えていた。
「全国区のプレイヤーなのか」
「知らなかったんですか?青学は今年の優勝校ですよ。」
「だからと言って俺が負けることはない…」
「わかってます!私が言っているのは相手の方です…!!」
「睦月…」
鬼先輩は黙らせるように私の頭を一撫でした。
「たぶん、これは見せしめだ。調子に乗るなとな。ここで折れるようなら合宿にいても長続きしない。」
「この試合は中学生の力を知る為のものだ。」そう最後に言って、鬼先輩はコートに向かって行った。
鬼先輩の言い分はわかる。
昨日の一件で高校生は大したことないと思っていたら、強くなんてなれない。
一度実力の差を思い知らせないと駄目なんだ。
「分かってはいるんですけど…」
これは惨過ぎじゃないでしょうか…?
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「お前の両手首は今ので完全にイカレた。勝負アリだ。」
試合は予想通りの展開だった。
桃城君の得意なジャックナイフも鬼先輩の力には敵わない。
力の差は分かっているのに、諦めずまだ挑む桃城君は見てて痛々しかった。
思わず目を逸らしたくなります。
「それでも目を離すなってことですよね…師匠…。」
『ゲームセット!!ウォンバイ鬼、6-0!!』
「這い上がってこい、桃城武」
最後に鬼先輩のガットは切れていた。
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