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「ほら、睦月も自己紹介しなよ。」

入江先輩は相変わらず楽しそうな顔だ。
この状況を楽しんでますね…。

私はというとさっきから鬼先輩の後ろに隠れている。
だって人見知りだし、視線が痛いんだもん!!

………キャラ崩壊しかけるぐらい追い詰められてるってことですよ…。

「世羅、挨拶は人としての礼儀だぞ。」

鬼先輩は私を抱えると自分の前に下ろした。
鬼先輩の裏切り者…!!!

「フフフ、もう諦めなよ。」

「うっ!う〜。……6番コートの世羅睦月です。よろしくしたくないですけど、よろしくお願いします。(ペコッ」

「女だ…。」

どっかから声が聞こえた。
皆がザワザワと騒ぎ出す。
この合宿男ばかりですもんね。

「ねーちゃん!ワイ、遠山金太郎や!よろしゅう!!」

可愛い男の子が私に自己紹介してくれた。

「よっよろしくお願いします…。」

差し出された手をたどたどしく握る。
仕方ないですよ、緊張してしまうんです…。

「失礼だが、世羅さんは何故この合宿に?」

逆光メガネの人が話かけてきた。
確か青学の乾くんでしたっけ?

「その…私にもよくわからないんです。黒部コーチに言われるままきましたから…。」

「さぁ、もう練習に戻りましょう。」

まだ何か言おうとした乾くんを遮り、入江先輩はコートへと移動し始めた。
そろそろ練習しないと怒られますからね。


50名の中学生メンバー。
このまま全員残れるとは思いませんね。

「(一波乱も二波乱もありそうです。)」

なんてことを鬼先輩に抱えられながら思った。



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