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▼ 双子(後味悪い)



※義父←兄←ヤンデル弟

弟と僕は双子で親にも、ほぼ見分けがつかない。
にも関わらず弟だけが新しい父さんに好かれている。よく2人で寝室に消えるのを見かける。…羨ましい。ただその一言に尽きる。僕は新しい父さんが大好きだった。初めて手に入れた父性、あの大きな腕で抱きしめて欲しかった。



「メール…。」
ある日の夜、弟の満からメールが届いた。外泊する事を親に伝えて欲しいという旨だった。
瓜二つの満と僕。唯一見分けられる点は目の色の違い。満は瞳の色素が若干薄い。ただそれだけだ。
僕はいけないことと知りつつ、カラーコンタクトをつけて父さんの寝室を訪ねた。


「ああ…っ!パパっ!パパぁ…!気持ちいいよぉ…!」
「今日の、満は、っ!素直で…可愛いな…。」
確か満はパパと言っていたはず。それにしても有事の為備えてきて良かった。父さんの雄を無事にハメられた。屈曲位でねっとりとした腰つき、やらしい…。父さんの年の割に筋肉質な背中に手を回すと、幸せすぎて泣きそうだった。
「翔は…?翔、にぃは可愛く、ない?っあ!はふっん、」
「馬鹿なこと、聞くね。満…はっ。満が、一番、っに、決まって、るよ。」
ああ、泣きそうかも。翔は、
そんなことしてる間に、ストロークが深くゆっくりから、浅く速くに変わって。意識が飛びそうになりながら、強く父さんを抱きしめた。大人の男の匂いがした。これが欲しかった。
母さんも満も貫いた雄を受け入れながら、僕は本当に駄目な子になってしまった。



「翔にぃ。」
「満。」
その一週間後くらいか。僕があの甘く切ない一夜をやっと胸にしまったくらいの時、満が今にも泣きそうな顔で僕の部屋にやってきた。
まるで鏡。鏡と同じ顔。どうして父さんは僕を選んでくれないんだろう。
「さっき、あの男の部屋に呼ばれたんだけど。」
満は父さんを、僕の前ではあの男と呼ぶ。うん、と相づちを打つと、どんよりとした瞳が僕を捕らえた。
「先週は素直で良かった、って。僕。先週、してな、いんだ、けど。
どういう、こと?まさか、翔にぃ、したの?僕だって、言って?な、なんで?なんで?なんで?」
満にバレた。
…そう言えば後の事は何も考えていなかった。最低だ。寝取っておきながらの謝罪なんて無意味かもしれない。それでも僕は俯いて、ただ馬鹿みたいに謝った。保身?脊髄反射?
「…ごめん……。僕も、父さんが、…好きなんだ。
だから、それで」
 !
謝罪の途中で弟が壁を殴った。
初めてみる弟の表情だった。怒りと悲しみと絶望と、なにもかも混ぜた表情だった。
「う、嘘でしょ?翔にぃ、あんな、あんな男好きなんて、嘘でしょ?僕をからかってんでしょ?やだなやだなー。もう僕だって怒っちゃうよー?あは、あは、あははは!」
満が無理やり笑ってみせた。でもそこにはただの狂気しか感じられなかった。僕はそれでも、つい言い返してしまった。
「嘘じゃない!僕は父さんを愛し「うるさい!」
満はまた壁を殴った。その手が切れて血が飛んだ。満はふらふらと僕に近づいてくる。
「あは、あははは!おかしい。おかしいよ。それ。だって翔にぃは僕を好きだもん。僕が翔にぃを好きだから。双子だもん、そういうのわかる。あんな男が好きなんて、おかしいよ。
だってあの男が最初に翔にぃがいいって言うから、身代わりだって言うから、いっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい頑張ったのに。
おかしいよ、翔にぃ。おかしい。おかしい。」
怖い。初めて満にそんな感情を抱いた。満はいつからこんな目をするようになったのか。
僕は満のその状態を見て、初めて後悔した。僕は一度でも父さんの寝室に消える弟、その表情を見ただろうか。
「み、満、」
「僕、僕ね。ハメ撮り、持ってるんだー!万が一の為の保険。
これぇ、ママに見せたら、パパさんいなくなっちゃうよ、翔にぃ!僕も駄目かもだけど!
やでしょ!?翔にぃパパいないのやでしょ!?
だったら僕にもさせてよ!」
満がそう泣きながら押し倒してきた。僕は怖いのと父さんがいなくなるのより、満が可哀想で動けなかった。


「ひっ!ひぃっ!満、満…!」
満は僕を四つん這いにして、両足首を棒で固定した。両手も股の間からその棒に固定された。思いっきり高く突き上げさせられた尻と金玉を揉みながら満は笑っている。満はいつからこんなことが好きになったんだろう。
「か。翔にぃは、痛いことしなきゃ、わかんな、でしょ?」
呂律も回っていない満は、た、玉も縛って、その紐も棒へ結んだ。両足首が固定されている棒には、手と玉まで結ばれた。怖い。
「動くとー、たまたま痛くなっちゃう、よ?ね?」
動くと玉の紐も引っ張られる。僕はブルブル震えながら、いたずらに触れてくる満の指先に怯えた。
「み、満…!やだっ、いやだ…!」
「え、え、これぇパパのと同じくらいだよー。ほらー握ってみてー!」
満が強引に握らせようとしてくるのは、明らかにパパのより大きいバイブ。僕が首をいくら振っても、満は鼻歌まじりにローションを絡めるのを止めなかった。ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい、僕は胸がなぜかつっかえて、枕に顔をうずめた。
「いあ゛ああああっ!いっ、あ゛っ」
激痛。容赦ない満の挿入によって、バイブが強引に押し込まれていく。体をよじって痛みを逃がそうにも、結わえつけられた玉が激しく痛む。助け、お願い、パパ…!

「パパは来ないよ。翔にぃ。」
振り向くと、寂しそうに微笑む満がいた。


おわり







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