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▼ こっそり(足コキ)



酒は強くないが、飲み会の場は嫌いじゃない。そうしたガヤガヤした雰囲気の中、ふと向かいに座っている田崎さんが視界に入った。
物腰は柔らかくて、垂目がさらにその優しい空気を生んでいる。騒がしいのは苦手で、あまり飲み会の場にはこない人なんだが。

そんなことを考えていたら、テーブルの下で足先にこつん、と田崎さんの足が触れた。
「あ、すみません。」
「ううん。」
つい謝ると、にっこり笑って返してもらえた。それから横を向いて隣と話そうとしたら、またこつん、と。
「……?」
トイレに立って戻ってきたら、またこつん。田崎さんを見ても、俺をにこにこ見ているだけだ。ただまた足先に触れる。どうも意図的に。
「っ!」
今度は違う感触が足にあった。暖かい感触が足首に。テーブルの下を見ると、田崎さんが靴を脱ぎ、俺のスラックスの裾に足を突っ込んでいた。
「………」
「…」
どうしたものかと考えるが、一体何て言えばいいのだろうか。俺が色々な恥じらいで戸惑っている間に、その足は裾の中でさわさわと蠢く。
「………あ、の」
頭を上げると、田崎さんと目が合った。優しい笑顔はいまだにそこにある。俺はそれが気持ち悪く感じた。
「なに?」
その一言と共に足が離れる。わかってもらえた。ホッと一息ついた、
「!」
と思ったが、その一旦離れた足は再び、俺の足先から上へ上へつたっていったのだ。俺はとっさに両膝をくっつけて、足を閉じた。
「……っ」
田崎さんの足はその間をこじ開けようと蠢く。足長いな。周りからは分からないだろうが、テーブルの下では攻防戦が繰り広げられていた。

「ひっ」
その戦いを制したのは田崎さんだった。疲れて一瞬力を抜いた瞬間、田崎さんの足が股に突っ込んできた。
ぬっとりと足の裏でさすった後、足先をぐにぐにと動かす。初めて足でそんなことをされたが、手とは違う感覚に少し戸惑い、次いでこじ開けられた何かを感じた。
「……っ…」
その足に、だんだんと股間と頭がしびれたように感じた。こんな飲み会のテーブルの下で、俺は足で扱かれていた。だんだんと気持ちよくなるそれに、ゆるゆると足を開きだしている。
「ん…、っ」
こじ開けられた何かにより、俺は黙ってされるがままにされていた。足を上下に動かされ、つま先で遊ばれ、だんだんと全身がぞくっとしびれるようになり、ほうっと田崎さんを見つめる。
「はぁ。」
そう言うと田崎さんは足を下ろした。もどかしさに真意を探ろうと表情を窺う。ぱっかり開いた俺の足の間では、すでにギンギンのそれがあった。
「足疲れた。」
田崎さんはそう言って笑った。


おわり







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