note


▼ ふたりきりB(電波)



※本気で意味不明な突然展開。
※自己完結、自己満足話。
※色々ひどい。
※バッドエンド。
※つまらない。
※エロまで意味不明。
※もっかい言いますと、凄くつまらないです。

※ふたりきり1 2の続き

空が青から灰になろうとしていた。俺はそれをどこか他人事のように見ていた。

たくさんあったビル群は減り、今やこの半径1キロ外には何もない。ビルが消えるなんて何らかの外圧がかかっているからに他ならないのだが、それが何かは分からなかった。1キロ先の何もないところへ行こうという気も起こらなかった。俺は薄々感じとっていたんだ。
俺の中が急速に空虚になっていくのが分かった。いや空虚であることに気づいていく。あるのはコウがすきということだけだった。衣が剥がれ、俺は剥き出しの魂に触れている。核心に触れ俺はその選択を迫られていた。
すぐそこの砂地の空虚を見つめる。うう。うう。
「ああ、ああ……。コウ、」
俺は足を抱きかかえてうずくまった。


「今度はそれ?」
コウは今度も分厚いアルバムのようなものを持ってきた。
「ああ、今度は本物だ。」
広げられたアルバムには、人間の写真があった。いや人間らしいものが写った。耳の数目の数口の数位置すべて同じなのに、俺にはとても同じものには見えなかった、違和感。おぞましいほどの違和感。ついにここまで壁が柔らかくなったということ。
「………」
「な?すごいだろ?もしかしたらこの人?宇宙人?が攻めてきて、ちょ、おい。トラ?」
目眩がする。ついに喉元まで突きつけられた。逃げるか受け入れるか抗うか落ちるか。勝手に涙が溢れてくる。
ここと違う次元のものが混ざった。違う媒体を含む同一境界内にぶち込まれた。
俺は失っていた訳ではない。初めから持ってなかった。なんで今まで忘れていたんだろう、必要にかられ遂に認めた。
必要ないから。ここに必要なのは、俺と煙草とコウと、あと何があったろうか。

コウの肩がぼやけた。俺は無駄だと知りながら、抗わずにはいられなかった。コウこそ俺の核であり、存在理由であり、ありもしないはずの全てで、動かずにはいられなかった。
「…と、ラ…---…--…?」
コウに触れようとすると、その声にもノイズがかかった。はやい、抗う時間もないようだ。1キロ先だった砂地がじわじわとこちらに近づく。
「コ、コウ、」
俺の声はクリアー。つまり俺の耳が壊されたか、コウの喉が壊されたか。俺は、コウは、また声と年齢と瞳と髪の色をコンバートされて記憶をデリートされて生まれかわるのかと、そう思うと、どうしても、いてもたってもいられなくなった。
「コウ、なぁ、」
組み合わせのひとつに過ぎない。でもその無限の組み合わせのひとつでも俺は。ここでの俺らの存在理由ははっきりしている。
「セックスすんぞ、早く!」
「…---…な…-ん-…で……?」
急かすとコウは笑ったような気がした。が、今度は俺の視界がまだらに落ちた。----っ、こっちもか。見える世界は壊れたテレビみたいに一部がカラフルで一部が白黒だ。
なんで?
こっちが知りてぇよ。少なくとも言えるのは、片方に8あって、もう片方にも8あったら、それだけで64も組み合わせが。そのひとつでしかないからだ。
「いいから、急げ。ほら。おっ立てろ!」
「………----」
俺は乱暴にパンツを脱いで、コウも脱がせて、泣きながらコウのちんこを擦った。俺はどうしてか泣いていた。泣きながらまだ柔らかいコウのを口に入れて、舐めしゃぶった。無理やり喉まで押し込んで、舌を動かしてしゃぶった。違う意味でしょっぱかった。
もうなにも聞こえなくなった、鳥もなくなった。上等だ、いらないのは俺も同じだ。見ていろ。
「っ、んぐっ、コウっ、俺を舐めろ、早く、っ!」
コウを仰向けにして、その顔の上に恥部を押しつける。所謂69の体勢になった。こんなことをしたのは初めてだった。裸で抱き合うだけで満足だった、触るだけで幸せだった。そう考えると俺はだいぶ充たされていた。
「コウ、はやく………っ!」
じれて振り向いた俺が見たものは、なんにもないコウの口の中だった。歯も舌もなくて、ただ暗い穴がぽっかり存在している。それでもその中にちんこを入れられると不思議と暖かくて心地よかった。
そう言えば、俺にも喉ってあったろうか?涙が垂れて口に入ったが、今度はしょっぱくなかった。おっ起ったコウのちんこは生ぬるく、ただ無味無臭の透明な我慢汁が流れるだけだった。あれ、俺、なにでちんこ舐めてんだ?そう言えば俺に鼻ってあったか?そんな自問を繰り返すと、全ての境界が曖昧になった。
「んじゅっ!ちゅぱ!ちゅっ!」
「------------」
そもそも俺に顔なんて、あったか?俺の境界もコウの境界も曖昧になって、溶けて混ざっていくようだった。それはただ生暖かくて、
「コウっ、コウ、気持ち、いいなぁっ、」
「-----------------」
何も要さないからこそ、純度が高いものを得られる。コウの指が俺の尻を撫でる。その指先が想像以上に冷たくなっていてぞくっときた。舌も喉も歯もないから、コウは唇でちんこを扱く。俺も同じようにする。その柔らかい唇の感触と更にぬるくなっていく温度。
ああでも、
「きもちいい、っ、…はぁ、」
これ以上俺は何が求められるって言うんだ。不意に不思議な感覚が背後からした。振り返って見ると、コウの指が小指から段々となくなっていた。コウはそれを惜しむように俺の尻を抓った。
「いい、よ、ほら、跡つけろ、」
爪も指も歯もなくて、仕方なくコウは俺に跨って首筋に吸い付いた。なにも残らないのはわかってるが、俺もしないではおれなかった。急速に消えていくコウが愛おしくて仕方なかった。
「いれる、いれるぞ、俺ん中にコウのいれるぞ、」
コウは既に消えかかった頭を縦に振った。コウの膝から下はもうない。俺は自分で足を開いてコウのちんこを無理やり受け入れた。最後に感じることのできた温度だった。

涙がポロポロとこぼれた。
消える。それでもこの一瞬の組み合わせが嬉しくてならなかった。幸せすぎて胸がつまって苦しくて、ノイズがひどくて言葉がうまく紡げない。もし、次出会うことが出来れば、きっと合図をしよう。きっと俺は次でも煙草を吸っているだろうから。きっと、コウに、
「---き-、------、」
あと、少し。コウが消える。
「----づ-けよ-」

「------す---、---き/、」
コウにキスした。ほとんどそれは空虚に近かった。だがこの回の俺の価値は、ただこの一点のみでいい。俺にはこれだって、もったいないくらいだ。

「     」

最期消えるコウの唇は確かにその5文字を紡いだ。ああ、よかった。
俺はその背/中に手を回して、目蓋の消えた目で、世界の終焉を見つめていた。この世界の俺達は幸せだった。























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おわり

やりたかったらしいこと→お話の中の登場人物が、それを書いてる人に消される。






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